子どもの好き嫌いはどうしても出てくるものですし、それをなおそうとして言葉できついことを言っても逆効果です。
せっかくの食事ですから楽しい時間を過ごしたいと思うのはみんな一緒ですから、少しでも子どもと楽しく食事の時間を贈ってみませんか。
●味覚は大人になれば変わるもの
あなたにも覚えがあるかもしれませんが、子どものころ食べられなかったものが、大人になってから食べられるようになった、ということはないでしょうか。
分かりやすいもので言うと、わさびやからし、辛いカレーライス、炭酸飲料、ピーマンや春菊など、癖のある食材は、「大人の味」ともいえるように、子どもが好む味ではありませんよね。しかし大人になるとおいしく感じるから不思議です。
実は人間の味覚は成長するにつれて変わっていくため、たとえば子どものころは塩辛い食べ物は嫌いだったけれど、大人になったらお酒のおつまみとして食べるようになった、子どものころはポン酢が苦手だったけれど大人になったら大好きになったということがあります。
しかし親にしてみるとちゃんと食べないと栄養が十分取れないと思ってしまい、つい「好き嫌いするなんて、わがまま」と言葉で傷つけてしまいます。
栄養が気になるなら別の食材で補い、子どもの好き嫌いは長い目で見てみることも大切です。
人間は雑食動物なので、極端に偏っていない限り、他の食材で、似たような栄養を補うことが可能なのです。
食事は栄養を取ることはもちろんですが、子どもにとっては楽しい家族だんらんの時間であることも大切です。
親子のコミュニケーションの時間にもなりますので、ガミガミ食事中に言うよりも、笑いながら楽しい時間を送ることを考えてみてはいかがでしょうか。
子どもの味覚は、実は味そのものより一緒に食べる人、楽しい記憶、食器や椅子の感触、大人の表情など、環境によって好き嫌いが左右されることが多いのです。
ですから、みんなで食べた楽しい記憶があれば、いつか、食卓に並んだ食材はそのうち好きになるでしょう。
好き嫌いはいつかなくなるもの、と考えれば食事の時間も楽しい時間となるでしょう。
Photo by Quinn Dombrowski