多くのママやパパたちは、自分の子供には優しく育ってほしい、思いやりのある人になってほしいと願うものです。
しかし、親である私たち大人は、子供に願うような、優しさや思いやりのある心を持っているでしょうか。
見た目で判断しない、優しい人であると自信を持って言える大人は、寂しいことですがとても少ないのかも知れません。
●裕福そうな子供、貧しそうな子供、見かけで判断する大人たち・・
東ヨーロッパのグルジアの首都トビリシで、ユニセフによって、とても興味深い社会実験が行われました。
その結果に世界中の人たちから注目が集まっています。
この実験の内容は、「裕福そうな身なりをした子供」と「貧しそうな身なりをした子供」とでは、大人の対応が違うのかを試すものです。
実験に参加したのは6歳のとても可愛い女の子アナノちゃんで、衣装を変えて1人っきりで街角に立ったり、レストランに入ってもらうという内容です。
1人っきりでたたずむ幼い女の子に対して、大人はどんな反応をするのか気になりますね。
身なりが違うだけで、大人の反応は違ってくるのでしょうか。
裕福そうな身なり、つまり、キレイな洋服を着たアナノちゃんが1人街角に立っていた場合、実験の開始直後から、たくさんの通行人から声をかけられます。
名前や年齢を聞いてくる人や、中には心配をしてどこかに電話をする人までいます。
たくさんの大人が、この幼い少女を心配して手を差しのべました。
しかし、同じアナノちゃんが貧しそうな身なりをして、同じ場所に立っていた場合には、驚くべき結果になったのです。
時間が経過しても誰も声をかけようとはしません。
また、レストランの中でも同じような結果になります。
キレイな可愛い洋服をしたアナノちゃんには、たくさんの大人たちが優しく声をかけてくれます。
愛おしそうに髪をなでたり、あれこれ質問をして、おしゃべりをしてくる大人がたくさんいました。
しかし、貧しい身なりのアナノちゃんには、全く反応が違います。
近づくと露骨に顔をしかめたり、他の席に移動して避けたり、中には「あっちへ行け」と追い払う大人が何人もいたのです。
●実験映像で考えさせられる本当のやさしさとは・・
レストランの実験で、アナノちゃんは耐えきれず泣き出してしまいます。
貧しい身なりの実験の後、アナノちゃんは「とても悲しかった」と絶望的な表情を浮かべます。
同じアナノちゃんなのに、着ている洋服、身なりだけでこれだけ大人の対応が違うのは驚きです。
しかし、実際に同じような場面に出くわした場合、自分はどんな対応をするのでしょう。
無意識のうちに、子供を見かけだけで判断してしまっている可能性は十分にあります。
子供たちに
「人を見かけで判断してはいけません」
「人間の価値は、着ているものでは決まらない」
と教えているはずのわたしたち大人も、どこかで、相手の身なりによって態度を変えている可能性があります。
子供に言ってることと、実際に大人が行っている行動に隔たりがあれば、子供はきっと見抜くでしょう。
しかし、人の価値は、裕福さ、貧しさなどでは決まらないはずです。
本当の人の価値や優しさ、わたしたち大人はどう行動すべきか、考えさせられますね。