子供たちからの手紙は先生としてもうれしいものですが、アメリカで先生に贈られた生徒からの手紙が感動を呼んでいます。
・先生に知ってもらえたら
アメリカ合衆国コロラド州のデンバー在住小学校教師のカイル・スクワーツさんは子供たちのことを一つでも多く知ろうとする優しい先生と評判です。
そこで先生は子供たちに、先生に知ってもらえたら、という一文から始まるメッセージを書くよう伝えました。
カイルさんは子供たちのことをもっとよく知りたいということで出した宿題でしたが、子供たちから寄せられたメッセージはカイルさんの想像をはるかに超えるものでした。
どのような内容かというと、I wish my teacher knew I love school.というように、学校が、先生が大好きだということを知ってほしいという内容が大半だったのです。
カイルさんは子供たちのメッセージが単純にうれしいものと言いますが、中には複雑なものもありました。
・お父さんに会いたいというメッセージ
ある子供が先生にあてたメッセージはI wish my teacher knew how much I miss my Dad.という文章から始まっていました。
つまりこれはお父さんに会えなくて寂しいということを知ってほしいということなのですが、文章の続きを読むと、生徒のお父さんは生徒が3歳のころからメキシコに行ってしまい会うことができていないというのです。
家庭の事情は生徒により様々ですが、カイルさんは複雑な気持ちを持たずにはいられませんでした。
さらにI wish my teacher knew I don’t have friend.という遊ぶ友達がいないということを告白した生徒もいました。
こうした内容はほかにもあり、いじめられていることがつらい、悲しいという文章が多く見られたのです。
子供たちのストレスを感じ取ったカイルさんは今回のことをきっかけに1冊の本にまとめ、ほかの学校でも子供たちのことをもっと知るための方法として提案しました。
もちろんなかなか先生に伝えられないという子供もいますが、それでも少しでも本音を明かしてくれればというのです。
親は子供が学校に通い出すと先生にすべてを託すしかありませんが、カイルさんのような先生がいると安心できるでしょう。
Photo by Eduardo Merille