子供が風邪をひいたりけがをしたりしたら病院へ連れて行くのが当たり前と考えている人は多いでしょう。
しかし経済的な事情から子供を病院に連れていくことがかなわない家庭もあります。
・100世帯に1~2世帯が病院を受診できない
大阪府内の世帯で経済的理由から医療機関に子供を受診させることをあきらめた世帯が1.8%にもなりました。
さらに習い事、学習塾に通わせることができないという世帯も1割以上に上り、一人で放課後をすごす小学生が16.6%、中学生が17.1%にもなりました。
調査対象となったのは大阪市などを除いた30市町村の小学校5年生および中学校2年生がいる世帯で、回答があったのは5,173人となりました。
さらに調査では、子供の生活の中で経済的な変化があったかという問いに対し、趣味やレジャーの出費を抑えたという人が半数近くに上り、衣類や靴を買うのを抑えたという人もおよそ44%、食費を切り詰めたという世帯も約38~39%になったのです。
冷暖房を控えた世帯も30%弱、理髪店や美容院に行くのを減らしたという世帯も33%ほどになりました。
・子供の貧困化が増加
これは大阪府の一部の調査結果にすぎず、沖縄県では子供に虫歯ができても歯医者に通わせることができないという世帯もあることが報道されました。
さらに学費のかからない公立の小中学校であっても、給食費、学用品、校外学習の費用などは掛かりますから、家計に大きく負担を強いることになります。
就学援助を利用しても校外学習のバス代や現地の入場料、北国であればスキー用品やスキー場のリフト代などもかかりますし、音楽で使う鍵盤ハーモニカや習字、絵の具の道具など親の負担は大きいと言われています。
中学校に入ると制服などを購入しなければなりませんから制服の購入が間に合わず入学式を欠席したという世帯もあります。
大阪府の中で先に調査を行った大阪市ではこどもの貧困対策推進本部会議を開き、来年度予算からでも施策を実施し、できる所からしていきたいと言います。
全国各地で広がる子供の貧困の連鎖を食い止めるためにはどうすればいいのか、考えるときなのかもしれません。
Photo by Thomas Kohler