洗剤やシャンプー、消臭剤を製造しているメーカー、P&Gが、ニオイと脳の研究者 杏林大学 名誉教授 古賀良彦先生と共同研究を実施しました。
その結果、「家庭のニオイが、子どもの集中力を低下させ、テストの成績に悪影響がある」という結果が得られたそうです。
●世界初の実験結果「ニオイで集中力が10パーセント低下」
この実験は、小学4~6年生96人を対象に、集中力テスト、アンケート、脳波測定を行いました。
集中力を示す脳波「P300」が不快臭によって、最大10パーセントも低下してしまうことを、世界で初めて実証しました。
この結果は、香りの学術誌で発表される予定だそうです。
また、ニオイなしよりもニオイのある状態の方がテストの点数が低く、特に「汗・体臭」のニオイは、結果に大きく影響することがわかりました。
●最も悪影響のあるニオイは…
家庭の中で代表的な不快臭として、「カビ臭」「汗・体臭」「油臭」を使用しましたが、ダントツに悪影響のあった「汗・体臭」に続き、「油臭」でも悪影響が認められています。
「汗・体臭」は、人や動物から発せられる体臭、「油臭」とは、家庭で揚げ物などをしてカーテンなど布製品に付着し、酸化した油のニオイなどを指します。「カビ臭」は、エアコンやほこり、湿気などのからくる、カビのニオイです。
●子ども自身の精神状態にも影響
さらに、子ども自身が回答したアンケートによると、「気持ちのおだやかさ」「やる気」「集中力」全てにおいて、ニオイのある方が、数値が悪くなるという結果が出ており、ニオイがあることで、子どもの精神状態にも悪影響を及ぼすことがうかがえます。
●本人が無自覚でも、脳が反応
どんな悪臭も、鼻が慣れてしまうと気づきにくくなりますが、本人が無自覚であっても、脳は反応しています。
受験や進学などの季節、子どものパフォーマンスを伸ばすためにも、家庭のニオイ対策は大人がきちんと行ってあげるよう、古賀良彦先生はコメントしています。
●幼児や赤ちゃんの心理にも影響?
家庭のニオイが子どもの学習に影響を及ぼすことが実証されるとは、驚きですね。
ニオイが「気持ちのおだやかさ」や「やる気」にも悪影響があることを考えると、赤ちゃんや幼児でも、イライラやぐずりなどの影響が出ているのかもしれません。
最近、家族がおだやかでないと感じたり、やる気や覇気がないなあと思ったら、家庭のニオイを確認してみるといいかもしれませんね。
Source:
プレスリリース「P&G ジャパン」
家庭のニオイが子どもの集中力を低下させることが明らかに
http://prw.kyodonews.jp/opn/release/201612127110/
http://prw.kyodonews.jp/prwfile/release/M101519/201612127110/_prw_OR1fl_RrRQ50La.pdf
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