なまはげも、節分の鬼も、近年では「子供たちを怯えさせるのはかわいそう」という親からの意見が強くなったため、優しくニコニコと子供たちと触れ合う、「怖くない鬼」が主流になってきているようです。
・最近増えた「怖くない鬼」とは・・
節分には、豆をまき、悪鬼を追い払う、という意味があります。
そんな節分に、最近、異変が起きているようです。
保育園などでも毎年、節分になれば、怖い鬼が登場、子供たちを震え上がらせてきたのですが、最近はちょっと雰囲気が違ってきています。
最近の鬼は、なんと反省して、子供たちと仲直りをするソフト路線の鬼が登場していると言います。
「悪い子は誰だ!」と言って子供たちを追い回していた恐い鬼も、態度を一変します。
「怖がらせるつもりはなかった、仲直りして欲しい」と子供たちに言い、鬼と子供たちが最後にはハイタッチをして仲直りをするのだそうです。
子供たちに恐怖を植え付けないように、との教育的配慮によるものなのだそうですが、伝統的な節分の鬼とは正反対の展開に、違和感を覚える人もいるようです。
・ソフト路線の鬼にはこんな弊害があるかも
「怖くない鬼」は、全国で広がっているようです。
豆まきの後には、鬼と握手をしたり、2ショット撮影も行われて、子供たちの気持ちを和らげているのだそうです。
恐い鬼がいるから、園に行きたくない!となれば、母親も園も困るから、というのが、こういったソフト路線の鬼が増えたことの背景にあるようです。
また、怖い鬼をやっつけると同時に、受け入れることには教育的な意味もあるとしています。
しかし、本来の鬼は悪いものを象徴するものです。
最後に仲直りをするソフト路線の鬼では、本来の節分の考えが伝わらないと懸念する声もあります。
節分の豆まきには、鬼に豆をまいて、邪気を払う厄払いの意味があり、そうやって鬼を追い払うことで、安心して生活しよう、という伝統行事です。
節分の鬼に対して泣き叫ぶほど怖がるような子供にだけ、個別のフォローをした方がよいのでは?と話す専門家もいます。
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