子育てをする上でよく耳にするのは、「子供は褒めて育てろ」ということではないでしょうか。
きちんとごはんを食べることが出来た、歯を磨いた、自分で朝起きれたなど、子供が自分で何かできたら、拍手をしたりすごいと言って大げさに褒めましょうということが育児本に書かれたりしていますね。
確かに子供が頑張ってしたことは褒めてあげることも大事ですが、なんでもかんでも褒めるのは良くないということがある研究で分かっています。
米国オクラホマ州立大学によって行われたのは、7歳から10歳の565人の子供とその親を1年半かけて、心理テストや性格診断テスト、そして子育てに関して聞き取りを行うという調査による研究です。
この結果で判明したのは、子供を褒めすぎるとナルシストになってしまうということです。
「自分の子供は他の子よりも優れている」と思いこんでいる親に育てられた子供は、自己愛的性格なナルシズムになる傾向が強くなるそうです。
ナルシズムというのは、ある意味本当の自分がわかっていない状態で、ただ褒められるから自分はすごいと思い込んでしまいます。
そうなると、自分ではたいした努力もせず他人を見下したり、人よりも格上だと思ってしまうため社会に適応できなくなります。
本来、子供を褒めた方が良いというのは、自己肯定をさせることで自尊心を養うためですが、自尊心とナルシズムはまったく違います。
自尊心がある人は、自分は他人と同じ能力があると思っていますが、ナルシストは自分だけが優れているという考え方なのです。
ナルシストに育ってしまったら、親元を離れていったときに苦労するのは子供なので、褒めすぎには注意しましょう。
Photo by Andrew Malone