新生児の急激な成長を支えるだけの栄養があり、外部から守るための免疫力を与えるのがママのおっぱいです。
多くの女性は妊娠中、母乳で育児をしよう、ママがおっぱいを出して赤ちゃんが吸いついて…とイメージしているもの。でも、実際に生まれた後、そんなスムーズにいかず、四苦八苦することがとても多いのです。
出産したからといって、すぐに母乳がたくさん出るわけじゃないし、おっぱいは授乳に慣れた形にできあがっていません。そして、赤ちゃんも、ママも、授乳の初心者でへたっぴなのです。授乳がうまくできないのは当たり前です。
だから、ママも赤ちゃんも練習が必要だし、おっぱいを出すための刺激や、吸いやすい乳首へと吸引する力も必要になってくるのです。
そんなこと、ママになるまで想像もできませんでしたよね。
すでに産院で指導を受けている人も多いと思いますが、一般に言われている授乳の仕方の基本知識をここでご紹介しましょう。
まずは、授乳をする前には、ママの乳首を洗浄綿などでキレイにしましょう。
特に新生児は抵抗力が弱いので、欠かさず行いましょう。
おっぱいが張っている場合には、赤ちゃんが吸い付きにくかったり、いきよい良く出てしまい赤ちゃんがむせることもあります。
赤ちゃんの口に含ませる前に、ママが自分で少しだけ絞って、乳首周りを柔らかくすると、おっぱいが飲みやすくなります。
赤ちゃんの頭を片方の手で支えて、もう片方の手でおっぱいを持って、赤ちゃんが飲みやすい体勢を作ります。
この時、あると助かるのが、赤ちゃんの身体をやさしく支えてくれる授乳クッションです。
これがあるだけで、ママの授乳がかなりラクになります。
同じ体勢で授乳するのは、けっこうキツイので、授乳クッションなどを利用しましょう。
赤ちゃんが飲み終わったら、赤ちゃんの口周りと乳首周りを洗浄綿でキレイに拭き取ります。
最後は赤ちゃんにゲップをさせることもお忘れなく。
おっぱいと一緒に空気を飲み込んでいるので、ここでゲップをさせておきます。
そうしないと、吐き戻しをしてしまうこともあります。
赤ちゃんの身体をママの肩にもたせかけて、背中をトントンとやさしく叩けば、ゲップが出てきます。でもゲップが出なくても、あまり必死に出そうとがんばる必要はありません。
ゲップで出なかった空気は、肛門からおならとなって排出されることも多いからです。
もし、乳首が小さい、陥没している、などの理由で授乳が困難でも、あきらめずに授乳を続けていると、赤ちゃんに吸われることで乳首が変形して、大きくでっぱり、授乳しやすい形へと変わることも多いのです。
また、慣れない授乳で乳首が擦り切れたら、ランシノーなどの乳首専用の軟膏を塗って、上からラップを貼り付けておくと、傷が回復しやすくなります。乳首の軟膏は赤ちゃんが飲みこんでしまっても害がない成分なので安心です。
どうしても乳首が痛い時は、搾乳した母乳を哺乳瓶で飲ませたり、授乳を休んでミルクにするなどして、無理せず、進めていきましょう。
あまり出ない時は、母乳にこだわらず、上手にミルクを活用していきましょう。
ママ以外の人が授乳できるし、母乳にはないビタミンも含まれているし、栄養バランスも安定していて、必要な量がいつでも用意できる、など、メリットがたくさんあるのです。
Photo by Nathan Walker