赤ちゃんは物事をまだ知りませんし、自由に動くことができるようになるとおもちゃなど興味のあるものをどんどん散らかしていきます。
親はそれを見て片付けたり、これ以上散らかさないよう説得したり、またせっかく畳んだ洗濯物を散らかされたり、本棚から本を出されたりするのをやめさせようと対策を立てようとします。
ですが実はこうした赤ちゃんの行為は、赤ちゃんが片付けを覚えるために必要なことなのです。
たとえば1歳半までに子どもは積み木を積むことを覚えますが、その前に積み木を崩すことを覚えていなければ積み上げることを覚えることはできません。
洗濯物も、崩すことで、たたむことが理解できる、本も本棚から引っ張り出すことを知っているから並べることができる、おもちゃも箱から取り出すことを知っているから片付けることができるのです。
パズルで考えてみて欲しいのですが、最初からまったくバラバラのパズルを組み立てるのは難しいですが、一度完成した作品を見てから自分で少しずつ崩して、再度自分で組み立てることなら、比較的簡単にできるのです。
これと同じことが子どもの中で起こっており、次第にお片づけすることへとつながっていくのです。
ですからまだ満足に会話できない子どもがおもちゃを散らかしたりしても叱るのではなく、片付けの練習をしている最中なのだと認識してみてください。
そうすると「うちの子は悪さばかりして」とマイナスな批判精神もなくなり、「どうしてこんなことするの!」とイライラする気持ちも薄れることでしょう。
やがて花開くときのために、一生けんめい勉強して、準備していると思えば、やさしい気持ちで見守ることができます。
そして崩した後は、ママが一緒に「さあ片付けようね」と言って、「こうやって箱の中に入れるのよ」と目の前で片付けて見せ、「一緒にないないしようね」と手伝ってもらえば、お片付けの練習につながります。
Photo by Jacob Martin