インターネットを見ると子ども1人当たり必要な年収は500万円という説もあるようですが、根拠はありません。
ではなぜこのような話が出てきたのでしょうか、暮らしのレベルによって変わる子育てにかかるお金のことや、実際の子どもの育ち方を見てみましょう。
●お金をかければいい子が育つわけではない
都会で私立の学校に通わせるという親御さんと、田舎で伸び伸びと育てるという親御さんの意見を比較したとき、確かに都会で私立幼稚園、私立の学校に通わせれば学費だけで2000万円以上かかりますし、生活費は毎月何十万円とかかります。
ですが田舎に行くと年収500万円で子ども3人という家庭は多いですし、中には年収300万円で2~3人という家庭もあります。
都会と田舎では物件の価格も違いますし、食べる物の価格もまったく違いますから、生活にかかるお金が違うのは当然のことです。
幼稚園から大学まですべて公立に通った場合とすべて私立に通った場合の教育費には何百万円という差がありますが、贅沢をしなくても子どもは育つのです。
●お金で子どもが育つわけではない
結論から言ってしまえばお金で子どもが育つわけではありませんし、平均所得金額を見ると20代で323万円、30代で545万円となっていますから、夫婦共働きで500万円以上という家庭は500万円を満たしません。
そうすると半数以上の夫婦は子どもを育てることができないと言う結論になってしまいます。
現在高齢出産が増えてきており、年収500万円以上という家庭は増えていますが、高齢出産はリスクも非常に高くなります。
そう考えるとお金がないと本当に子育てができないのかという考えがついて回るのですが、お金がなくても思いやりを持った子ども、勉強ができる子どもが育つ家庭は育ちます。
確かに学校を卒業するだけのお金は必要ですが、それより社会で生きていく知恵やコミュニケーション能力、親と子どもの関わり方が大切なのではないでしょうか。
Photo by Quinn Dombrowski