日本は世界の国々に比べるとワーキングママの賃金差別が非常に激しく、もっとも厳しいとも言われています。
男性の賃金に対して、16歳未満の子どもがいるワーキングママの賃金は、フルタイムで働いていても平均で39%にしかなりません。
世界水準で見た場合、OECD30か国の平均が78%となっていることを考えると半分程度しか賃金が得られないという現状があるのです。
日本ではそれだけワーキングママを取り巻く環境が整備されていない状態で、近年は公的保育サービスや育児休暇などの制度が検討されているものの、実際には公的保育サービスは足りていない現状があり、育児休暇を取得しようとすると、職場で差別を受けるなどの背景があるとも言われています。
これらの問題にはワーキングママへの潜在的な差別があり、差別が原因となって賃金差格差が生じるのだと考えられています。
つまり、賃金面でのペナルティがあることを示しているため、日本で子どもを育てながら働くことは、現状として難しいと言えるでしょう。
●ひとり親が働くと貧困化が進む?
世界の国々と日本を比較した場合、ひとり親世帯の貧困率にも賃金差別が大きく影響してくることが解っています。
日本と海外のひとり親が働いている世帯を比べると、日本は驚くほど貧困率が高く、世界的にデータ化した時に異常な数値を叩き出しています。
さらに、日本国内ではひとり親が働いていない世帯の場合、貧困率は50.4%になることに対して、働いていると50.9%になるため、ひとり親が働くと逆に貧困率が高まる状態となっています。
<出典>
OECD
http://www.oecd.org/tokyo/
Photo by Jan Krutisch