帝王切開の出産は、件数が増えているもののやはり全体から見れば少数派です。
そのため、周りで経験している人や理解・共感できる人が少なく、『下から産んだ』人たちの会話に気遅れする場面もあります。
自分から希望して帝王切開するケースは少なく、予期せぬ事態によって帝王切開となることが多いのです。
自然分娩を希望していても、どうしても逆子だったり多胎妊娠だったり、あるいは他の理由で緊急に帝王切開になる可能性があります。
陣痛がなく、手術日も決まっている、などのメリットもある帝王切開ですが、自然分娩にはない、帝王切開を経験したママにしか分からない苦労もあります。
●悲鳴を上げるほど辛い傷口で、歩かされるリハビリ
まず、帝王切開で辛いのが、開腹手術という大きな手術をしたにもかかわらず、翌日くらいから、すぐに歩かないといけないことです。
手術の時にはもちろん麻酔をしているので、痛みもありませんが、大変なのは麻酔の効き目が切れてからです。
個人差もありますし、病院の方針などによっても違いがありますが、かなりの激痛があっても自分で歩かないといけないケースもあります。
また、お腹が痛い中、生まれたばかりの赤ちゃんに授乳をするのも辛いものです。
他にもパンツのゴムが傷口に触れる度に痛みを感じることもあります。
自然分娩の場合には、出産までが大変ですが、産んでしまえば病院での生活もラクで快適なものです。
しかし、帝王切開の場合には、出産後の痛みが辛いので、ある程度の覚悟が必要です。
●『下から産んだ』人たちにひけ目を感じる？
他にも自然分娩をしたママたちの陣痛トークに加われない時にも苦痛を感じます。
しかし、赤ちゃんや母体への危険から、帝王切開は避けることが出来ないものなので、『帝王切開も立派なお産』なのです。
しかしママの中には、自然分娩にこだわりが強い人もいます。その価値観を押し付けてくる人もいます。
赤ちゃんのためだけに、自分の体をざっくり切られるという選択をして、本来、とても立派なお産をしたはずなのに、自然分娩を経験したママたちに劣等感を抱いてしまうママもいるようです。
Photo by Oleg Sidorenko
