出産後のお母さんの体はとてもデリケートです。
ホルモンのバランスが急激に変化することや、出産で体力を使い切ってしまうことから様々な病気にかかりやすくなってしまいます。
・産褥熱とは
出産してから24時間以内に、約2週間ほどにわたって38度以上の熱が出てくる状態を産褥熱といいます。
産褥熱は出産時に産道や子宮内にできた傷に細菌が感染し、熱を出してしまう状態です。
内診や会陰切開、止血処理などの際に傷ができることもあります。
また、分娩時何らかの感染症にかかっていたことによる内部汗腺もあります。
誰でも出産の時には体にキズやダメージを受けることで、産褥熱が起こる可能性があります。
帝王切開の場合は、器具などを多く使用して腹部と子宮を切開し、出産するため、出産時に大きな傷をつけることになります。
そのため通常分娩よりも産褥熱にかかりやすくなるので特に注意が必要になります。
・産褥熱にかかったら
出産後1週間以内は様々な要因から熱が出ることも少なくありません。
しかし、そのほとんどは2日以内に軽快したり、微熱程度で済みます。
38度ほどの高熱が2日以上にわたって続き、なかなか下がらない場合はすぐに医師に相談してみてください。
悪露が停滞することから起きる熱や、胎盤が子宮の中に残っていることから出る熱の場合は、胎盤や悪露を取り除く処置を行います。
それ以外の産褥熱は、抗生物質の内服や点滴を行うことで数日後には症状が改善します。
産褥熱は昔は命にもかかわる怖い病気として騒がれていました。
しかし、今では衛生面や医療技術の進化などにより、きちんと治療を受けさえすればすぐに治ります。
Photo by Oleg Sidorenko