子宮内胎児死亡によって、ある日突然赤ちゃんがお腹の中で亡くなってしまうことがあります。
妊婦健診で特に異常が見られず、順調に育っていたにも関わらずお腹の赤ちゃんが突然亡くなる子宮内胎児死亡は、出産予定日の前日に起きることもあるものです。
●実際にある、静かな悲しいお産
子宮内胎児死亡と判断された場合、亡くなった胎児をお腹の中に長時間留めておくことは、母体にも悪影響があるため、早く分娩させるために陣痛誘発剤を使って子宮の出口を広げるようにします。
胎児が死んでいても、通常のお産と同じように、ママは分娩台の上でいきんで、産道を通して赤ちゃんを外に出すのです。
陣痛で苦しんで分娩しても、産声が聞こえることはなく、母親も現実を受け入れることができなかったり、自分を責めながら分娩するのだそうです。とても静かな、つらいお産です。
●死産した場合、胎児は自分を溶かしてしまう
子宮内胎児死亡で死産となってしまった場合、お腹の赤ちゃんは悲しい親孝行をすると言われています。
死亡した胎児は自分を溶かす酵素を分泌して、自分を溶かしてしまうのです。
そのため、分娩した時には胎児は浸軟と呼ばれるぐにゃぐにゃした状態となっていて、頭が小さく皮膚も触れただけで剥がれてしまう特徴があります。
分娩する母親に負担をかけないように体を溶かして小さくしているように感じられたり、綺麗な状態で生まれてこないことで母親の気持ちを楽にしようと胎児が考えているようにも受け取れます。
想像しただけで、なんとも切ない、悲しい親孝行ですね。
出産直前まで子宮内胎児死亡の可能性はあるため、赤ちゃんが健康で元気に生まれてくることは本当に奇跡だと言えるでしょう。
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