「9歳の壁」という言葉を知っていますか?
9歳はギャングエイジとも呼ばれ、小学校の3~4年にあたります。
大人に頼りっぱなしだった幼少期を脱して、自立心が芽生え、大人に反抗的な態度になったりします。
●学習でつまづく「9歳の壁」
9~10歳頃になると、身長や体格、運動能力、勉強など、個人差が大きくなってきます。
「サッカーが上手」「クラスの人気者」などアイデンティティが確立されてきます。
人間関係が大人のように複雑になり、今までリーダーシップを発揮していた子がいじめられたり、女子の派閥ができたりするなどの特徴もあります。
最も大きな「壁」は、小学校高学年になって学習内容が難しくなることです。
簡単な九九の丸暗記では対応できなくなり、「小数点以下の計算」「分数」など、日常になじみのない概念が教科書に登場します。
そこで突然学習につまづき、勉強が分からなくなってしまう子が多いのです。
●幼少期にしっかり遊んでおくことが必要!
小学校高学年以上になって求められるのは、目に見えないものを想像する思考力。
これをしっかり養っていないと、「9歳の壁」で勉強についていけなくなるのです。
その思考力を育てるのは、体や指先を使って、たっぷり遊ぶこと。
泥だらけになって遊んだり、好きなことに熱中して失敗したり、家でお手伝いをして料理を分けたり、全身の感覚を使って遊んでおくこと。
これをしておかないと、思考力が乏しい人間になってしまい、深く考えることができません。
小さいのに字が書ける、漢字が読める、国の名前を暗記している。
つい、そういう子は頭がいいと思ってしまいがちですが、知識を詰め込んだだけでは応用力が身につかないのです。
●失敗やケンカを恐れないで!
少子化、核家族化が進み、たくさんの人間にもまれる経験が減っている現代の子どもたち。
ギャングエイジに突入した時、コミュニケーションでつまづき、友達から仲間外れにされて、学校に行けなくなる子も少なくありません。
小さいうちに年上、年下などいろんな人と触れ合い、どんどんケンカをすることで、将来必要なコミュニケーション能力が身につくのです。
お子さんが小学校に入る前、今、早期学習よりも優先してやっておくべきことがあるのです。
9歳になって困らないよう、小さいうちに思いっきり遊ばせてあげてくださいね。
Photo by Alicia Munoz-Witt