少子化が進む日本。
一人の子どもにたっぷりとお金や時間、手間をかけてあげられるようになり、比例するように、幼児のうちから早期教育を始める子どもも増えているようです。
しかし、ある小児精神科医の医師によると、多くの早期教育は、子どもにとって有害となるリスクがあるので、安易に受けさせるのは危険だと警鐘を鳴らしています。
その理由として、本来、発達の段階に大きな個人差のある幼児期に、全員まとめて同じプログラムで教育を押し込むことで、自然と体験して、自分のペースで気づいていく機会を失ってしまう可能性があると説明しています。
確かに、おひさまを見て、「あったかい」と感じる子「まぶしい」と目を細める子、「今日は昨日より明るい」と表現する子、反応は様々です。
しかし幼児教育プログラムだと、みんなで同じような認識を覚えさせられることになります。
また、子どもは興味がある時とない時の差が大きいので、気持ちが乗らない時に、無理やり教室に連れてきて、興味のないことをやらせるという状態にも、問題がありそうです。
さらに、多くの教室が商業主義で、本当に子どものためを思ってというより、ママの不安に付け込んでお金儲けの目線から宣伝されていることが多いと考えられます。
また、密室で育児に奮闘するママも、「自分の子育てはこれでいいのだろうか?」という育児の不安を解消するために、安易に幼児教室に通わせてしまう、という現状があります。
わが子の今と向き合い、目の前にあることを喜びながら共有することこそが、本当の幼児教育であると、医師は話しています。
Photo by Mike Renlund