赤ちゃんが泣いていると、反射的に「早く泣きやませなきゃ!」と焦ってしまいます。
世間的にも赤ちゃんの泣き声に対して、公共の場では特に気を使う場面も多く、外出先では特にハラハラしてしまいますね。
また、自宅であっても、あまりに大声で泣かせていると、虐待通報されてしまうかな?と不安になってしまいます。
●泣きやませツールが充実しているけど…
赤ちゃんが泣きやむアプリ、泣き止ませ動画、ビニールをこすり合わせるなどのテクニック。
気がつけば、「とにかく泣きやませる方法」であふれています。
しかし、早く泣きやませることが本当にいいことなのでしょうか?
●泣くことでこんな感性が育っている!
大人でも、つらいことがあった時、泣かずにこらえていると、かえって長く引きずることがあります。
それよりも、たっぷり泣いて落ち込んだ方が、気持ちを切り替えて、後でしっかり立ち直れるのです。
赤ちゃんも同様に、気持ちを切り替えるために、泣いてスッキリしている、と考えられます。イヤイヤ期の子どもも同様です。
痛い、空腹、不快などの原因があったら、まずはそれを取り除くことが最優先ですが、そういった原因が無く、泣いている場合、「泣きたい時」なのかもしれません。
●自分の気持ちを伝える練習
泣くことは、赤ちゃんなりの主張であり、意見です。
「泣いてはダメ」というのは、意見や感情を表出させてはいけない、と言われていることと同じです。
泣いている赤ちゃんの気持ちを、親が推測して「さみしかったの?」「ビックリしちゃったんだね」と代弁してあげることで、だんだん言葉で自分の気持ちを伝える練習ができていくのです。
●泣いても愛されるという自信
ニコニコしているばかりが人間ではありません。
たくさん泣いて、周りの大人を困らせても、ちゃんと愛してもらえる、という環境があることで、「どんな自分もありのままに愛してもらえる」という自信や、自己肯定感につながります。そして、生きていくうえで前向きに挑戦していく意欲になるのです。
いかがでしたか?
笑っている時と同じくらい、泣いている時の赤ちゃんもありのままの姿なのですね。
泣くことをネガティブなことと決めつけず、大人が上手に向き合っていくことで、逆境をバネにして成長できる強さが、子どもにも育っていくはずです。
Photo by PROJulie, Dave & Family