テレビCMにはストーリー性があるものが多く、面白おかしく宣伝するものがほとんどです。
しかしマルコメのアニメーションCMは一味違う、感動を呼ぶものでした。
内容は大学受験前の娘と父親を中心に進んでいく家族の物語ですが、娘は思春期ということもあり父親との関係がぎくしゃくしています。
会話もすっかり減り、コミュニケーションもほとんどとることができませんでした。
ある夜、受験を控え夜遅くまで勉強をしている娘が空腹を覚えて部屋から出てきました。
すると食卓にあったのはおにぎりとカップのお味噌汁でした。
父親がかさを持っていくのを見て「お母さん、今日雨降るの」と母親に聞く娘、出かける娘を背中で見送って「テスト、どうだったんだ」と母親に聞く父の姿はすれ違いの様子がよく分かります。
夜食を見つけた娘は最初夜食を用意してくれているのは母親だと思っていました。
ところが翌朝母親に聞いても「何のこと?」と返されるばかりです。
そしてある夜、再び台所に降りていくとそこには「なんだか腹が減っちゃってな」と言いながらおにぎりを握る父親の姿があったのです。
一緒に向かい合っておにぎりとカップみそ汁をほおばる親子、娘は「お父さんのおにぎりは不格好で、みそ汁は温かかった」と表現しました。
「おかかと梅、どっちがいい」と聞かれ「おかか」と答えた娘に、どちらがおかかを食べるかじゃんけんで決めようと父親は「最初はグーだ」と提案します。
娘は微笑んでじゃんけんに応じ、ほのかな明かりの灯る台所で最近うまくいっていないと感じていた父親とのコミュニケーションを取ることができたのです。
アニメーションを作成したのは映像制作会社ロボット及びアニメ会社スタジオコロリドです。
このテレビCMを見た人は「泣いた」「感動した」という感想を残しており、思春期で親とうまくいかないと思ってしまいがちな時期を父親の愛情で包んだストーリーとなっています。
幼いころは、何度でも抱っこをせがんで、父親に甘えてきた娘も、やがて距離をとるようになり、思春期になると、会話を交わすことすら難しくなり、とまどう親も少なくありません。
この映像は、親子にとって本当に大切なことは何か、コミュニケーションを取ることは難しいことではないということを教えてくれています。
<出典>YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Z873o5G6el0