どんな親でも子育てにつまずくときはありますし、そのたびに自己嫌悪に陥ることはあります。
そして、子育ての最大のストレスといえば、「自分の好きなペースでやりたいことができない」ことではないでしょうか?
・眠りたいのに、細切れの夜泣きで、睡眠どころか、自分のトイレも食事もままならない
・せっかく作った離乳食を食べてもらえず、ひっくり返され、部屋がめちゃくちゃ、なのに、相手(赤ちゃん)を責めずに、自分が後片付けをしなければならない
子どもができる前は予想もしなかった、こんな苦行の数々、何度も続くと、さすがに辛すぎます。
自分の人生なのに、全然自分の思い通りに物事がいかないしんどさ、さらに自分のせいではない失敗まで責任をとらされて責められる…。
子育てがうまくいかないのはなぜなのか?
実は多くの人が、「人生の主役は自分自身」と思いこんでいるからです。
子どもが生まれるまで、自分の人生の主役は、当然自分でした。
「自分らしく生きる」とか「自分の人生は自分自身のもの」とかいうことは、当たり前とされてきました。
しかし、子どもが生まれたとたん、人生の主役はわが子になり、親は脇役に変更されるのです。
この事実に気付かないと、「自分の人生なのに、なんで自分の邪魔をされるのか!」と子育てにイライラしたり、「自分の時間もお金もない」「やりたいことが全然できない」「子どもなんか産まなきゃよかった」など、被害者のような気分になってしまうのです。
でも、子どもができた途端に、自分は脇役になる、主役を盛り上げるために徹する、と考えれば、気持ちがラクになります。
・子どもがよそで迷惑をかければ、親が後始末をして謝罪。
・子どもが急な病気になれば、親は何もかも放り出して病院に走り回る。
・今までお金や時間を費やしていた趣味や娯楽を控え、子どもと遊ぶ時間や習い事などの教育費に充てる。
・せめて、主役であるわが子を邪魔しない程度の趣味の範囲にとどめる。
・子どもの健康第一で、大人のタバコや妊娠・授乳中のお酒をやめる。
…これらも全て主役様があっても脇役なのだと理解すれば、「当たり前」のこととして受け入れられるかもしれません。
一方で、いやいや、自分の人生の主役はやっぱり自分だよ、と考える人もいます。
仕事や趣味にたっぷり時間とお金を使って、自分のやりたいペースで、自分最優先のパパ(またはママ)も存在します。
しかし、団塊の世代に多い、家庭を省みない仕事人間だった父親たちは、年をとって妻やわが子から冷たい目で見られ、いざ定年する頃になって熟年離婚や孤独な晩年になっているケースが少なくありません。
仕事とお金を失ったとたん、家族からも捨てられるのです。
自分のペースで生き続けることが、本当の幸せになるかどうか、上の世代をみればわかるのではないでしょうか?
もしあなたが子育てで行き詰っているのなら、あなたの人生の主人公は誰か考えてみてはいかがでしょうか。
以外と気がラクになるかもしれませんよ。
Photo by Dean Wissing