近年注目されるようになったのが「ADHD」という障がいです。
程度の重さは個人差が大きく、軽度だと脳機能のクセや個性ととらえられることも多いようです。
実はADHDは1つではなく3つのタイプがあるのですが、一体どのような特徴を持っているのでしょうか。
●ADHD3つの特徴
ADHDは「不注意優位型」、「多動性・衝動性優位型」、「混合型」の3つのタイプに分けられます。
●女の子に多い「不注意優位型」
「不注意優位型」はADDとも呼ばれ女の子に多いといわれています。
脳の容量や処理能力に何かしら不具合がある状態と考えられます。
物忘れがちだったり、集中力が欠如したり、勉強や遊びが長時間できない、片付けが下手、物事の順序を決められない、などの特徴がありますが、すこしドジが多いけど周囲と大きなトラブルがないため、特に問題になることが少なく、障がいと認識されないケースが多いようです。
●男の子に多い「多動性・衝動性優位型」
「多動性・衝動性優位型」は男の子に多いタイプです。
以前から話題になっている「多動」の典型的なパターンです。
手遊びが目立つ、ほしいものにすぐに手を出す、落ち着かない、気に障ることに反応しやすい、ちょっとしたことで手を出す、教室から脱走したり、じっとしていられず授業中に教室の中をうろつく、といった行動が見られます。
そのため大人から叱られることも多く、社会的プレッシャーや反感を買うこともしばしばあります。
●「混合型」
「混合型」は上記の2つが組み合わさったタイプで、ADHDの人の80%に観られます。
忘れっぽい、じっとしているのが苦手、思ったことを深く考えずにすぐしゃべってしまう、無くし物や忘れ物が多い、衝動的に行動してしまう、物事の優先順位を決めてその通りに動くことができない、などの特徴があります。
●他の特性も併せ持つ
ADHDの人は、何度言われても身につかない学習障害や、精神遅滞や、読み書きの障害、トゥレット症候群や自閉症、アスペルガー症候群などを、併せ持つことが多く、生活を送るうえで困難を感じることも見られます。
●怒られ続けて自信をなくす「二次障害」が重い
ADHDであることで極端に支障がある訳ではないものの、「忘れっぽい」「同じ過ちを繰り返す」などの特性から、幼少期から何度もきつく怒られて育つことで、「自分に自信を持てない」「どうせ自分はダメな人間だ」と精神的なダメージを受けたまま人格形成をしまうことが多く、その結果、社会に適合できず、うつ病などになってしまう人も多くいます。
これを二次障害と言います。
二次障害は、周りの人たちの理解不足が原因です。
その子にあったやり方、その子に適した居場所を見つけてあげることで、防ぐことができます。
●得意、好きを伸ばしてあげよう
「できないから」と何でも手助けするのではなく、ADHDを一人の個性として認めて、根気良く見守ってあげること、好きなことに熱中したり、特技を発揮できる場所を見つけてあげることが大切です。
「できないこと」を上手にできるようにするのは、かなり難しいです。
しかし、得意なこと、好きなことを伸ばしていけば、おのずと苦手なことが少し上達することもあります。
企業家や芸術家、研究者、作家、お笑いタレントなど、ADHDの人が、その特性を生かして、活躍している場がたくさんあります。
ぜひ得意なことを見つけて伸ばしてあげてください。
Photo by Eric Lewis