最近知られるようになってきたADHD。病院で実際に診断されたという人もいれば、なんとなくそれっぽいと自分で感じる程度の人もいます。
●ADHD(注意欠如多動性障害)の特徴
その特徴としてざっくりとあげられるのが
「片付けが苦手」
「優先順位をつけてテキパキ動くことができない」
「思いつきで動いてしまう」
「落ち着きがない」
「不注意が多い」
「空気が読めず、反感を買うことがある」
などです。子どもだけでなく、大人もあって、仕事で怒られることが多いなど、人知れず苦労している人がたくさんいます。
ADHDという診断でなくても、いくつもの雑用をこなすのが苦手、忘れっぽくておっちょこちょい、など「自分はADHDっぽいかも」と感じている人は、さらに何倍も存在します。
●遺伝のため、親子でADHDという家庭も多い
実は父親がADHDだと子どもがADHDになる確率は25~30%、母親がADHDだと15~20%、両親ともにADHDだと20~54%だそうです。
そのため、「子どもが多動なので病院へいったら、親子でADHDだと診断された」「自分も、自分の親も、ADHDの傾向がある」など、親子で似た特徴をもつケースが多いのです。
では親子でADHDの場合、どんな子育てをすればいいのでしょうか。
●ママが抱え込まず、親子で楽しむことが大切
親子でADHDという先輩ママは、「お互いに楽しむことが大切」と語ります。
実は親がADHDの場合、親も子どもに対してどう教育すればいいのか分からないと感じることが多いようです。
ADHDの子は、言われたことがすぐできないなど「育てにくい子」と表現されることがあります。そのうえさらに、ママがADHDの場合は、家事が回らない、どう順序だててしつけをすべきかわからない、と感じてしまうため、子育てで途方にくれてしまうのです。
子育てを自分一人でがんばろうとせず、家族全員や親せき、友達を巻きこんだり、習い事に通わせたり、園の先生にアドバイスをもらうなど、大勢で子育てに関われるようにしましょう。
市町村の子育て相談に行ったり、療育に通うなど、使える手段は全部使う、何度でもチャレンジするという気持ちでいることが大切です。
そのためできる限りのことはやって、様々な習い事をさせて本人が一番興味を持ったことだけを続けさせるという親御さんも多いのです。
のびのびと育て、様々な選択肢を与えてあげることで子どもの成長につながることがたくさんあります。
●いろんな親子のケースがあります
親子でADHDだった、ということで体験談をブログにしたりSNSで語ったりしている人は大勢います。
多くの親御さんは、自分の子どもがADHDとは最初思いませんから周りと何か違うなと思うようになってから初めて医療機関を受診し、ADHDの診断を受けることもあります。
乳児のころから成長が遅いけれどぽっちゃりしているからだ、そのうちできるようになるだろうと構えているのですが、保育所や周りから指摘されて初めてADHDのことを知り、最初はショックを受けるママも多いです。
ですが実は自分もADHDだったということを後から知り、それなら親子で楽しく過ごした方がいいのではと思い開き直るママもいます。
誰にでも得意不得意はありますし、ADHDの子はその苦手が少し多いだけと考えれば気持ち的に楽にならないでしょうか。
苦手なことをたくさんやるのではなく、得意なことを伸ばしてあげる、勉強を見てあげられないと感じているなら塾に通わせてあげるなど自身の選択肢も広げてみてはいかがでしょうか。
●ADHDの長所
「天才肌」と言われることも多い、ADHD。好きなことなら寝食を忘れて、何時間でも没頭できる集中力を発揮したり、好きな勉強なら100点を取るほど熱中したりします。
・多動 (落ち着きがない)→ エネルギッシュ、
・飽きやすい、一つのことに集中できない → アイデアに溢れてる、関心が広い
・みんなと同じことができない、空気を読まない → 独創性がある、流されにくい
・衝動的 → 実行力、行動力がある
レオナルド・ダ・ビンチや、坂本竜馬、エジソン、アインシュタインなど、ADHDだったのではないかと言われています。
Photo by James Deville