イギリスがEUの離脱を決めたことは記憶に新しいですが、その経済的影響で2020年までにシングルペアレンツや障害者への援助は25%カットされると言われています。
そんな中18年もの間眠ることができなかった母親の話が話題を呼んでいます。
・てんかん性発作が母親を苦しめる
イギリスのウェールズに住むリンゼイ・スミスさんは16歳の時にジェイデンさんを出産しました。
その後シングルマザーとして生活することになりましたが、娘には重大な障害があり、18年もの間眠ることができなかったのです。
ジェイデンさんが持って生まれたのは重度のてんかん性発作障害で、発作が起こると命にかかわることもあると言われていました。
てんかん性発作は過剰電気的興奮が脳に起こることで部分発作あるいは全般発作が起こる病気です。
全般発作が起こると意識がなく、しかも発作は24時間いつ起こるか分からないのです。
そのためリンゼイさんは18年もの間眠ることが許されない状況に置かれたのです。
・拒否された警報器
リンゼイさんはジェイデンさんが発作を起こしているのに寝てしまっていたら、ということでアラームを1時間ごとにセットして観察していました。
実は発作を知らせる警報器がイギリスの国営病院で貸出できるのですが、予算などにより貸してもらえる患者の数は限られています。
そのためリンゼイさんも貸し出しされることはなく、メディアの取材に応えたリンゼイさんの状況を知った人々が寄付を募って12万円する警報器を購入してあげることになったのです。
18年もの間眠ることができなかったリンゼイさんはジェイデンさんが生きられるのは20歳までだろうと医師に言われています。
最後の1年になるかもしれないけれど、警報器を買うための寄付を募ってくれた人、寄付をしてくれた人に感謝をしたいとリンゼイさんは言います。
こうしたニュースは時々取り上げられますが、リンゼイさんのようにわが子のために身を粉にする母親の話を聞くと心を動かされるのは世界共通ではないでしょうか。
Photo by Jim Renaud