好き嫌いのない子に育てたいと思っても、子どもは好き嫌いをするものですし、個人差はあるものの好き嫌いが多い子もいます。
ではなぜ好き嫌いの多い子がいるのでしょうか、その原因を見てみましょう。
●子どもの「心」から起こる原因
子どもは感受性が非常に高いため、一度嫌いと認識したものを二度と食べようとはしません。例えば、以前具合のよくない時に食べておなかを壊した、吐いたなどにより、トラウマとなって嫌いになっていることもあります。
前に怒られながら食べた、嫌な思い出がある、嫌いな人に強要された、などネガティブな記憶と、味の感覚が密接につながっているのです。
大人もそうですが、一度脳がその食べ物に対して苦痛を受けたと認識すると、その食べ物を二度と受け付けないと決めてしまうのです。
味覚嫌悪学習と呼ばれるこの行為は食事を取った後にお腹が痛くなったり吐き気が出たりしたときに同じものをまた食べようとしないということにつながります。
なお好き嫌いは生活環境が親と同じため、親が嫌いなものを子どもも嫌いになる傾向にあります。
親は食べないのに子どもに無理やり食べさせるのではなく、親も好き嫌いを克服するチャンスだと捉えてみてはいかがでしょうか。
●子どもの「体」から起こる原因
好き嫌いの原因は様々ですが、実は子どもの味覚が大人以上に敏感だからということがあります。
と言うのも、味蕾(みらい)と言う味覚を感知する舌の器官が、大人の2倍以上働いているからです。
大人からして歯ごたえがいい野菜も、固くてゴワゴワするなど、不快に感じてしまうことがあります。
かすかなピーマンや香味野菜の香りが気になって、食べられないこともあります。
子どもの体調が関係して、好き嫌いが起こっている場合は、胃腸の機能が低下していることが考えられます。
もちろん風邪などの体調不良で食べられないこともありますので、病気の時はおかゆなど消化のいいものにし、元気のいい時に食べてもらえるように工夫してみるといいでしょう。
食べられない時は無理に食べさせない。
しかし、なるべく一口は食べるようにする、もし少しでも頑張って食べたら褒める、ということを繰り返していくと、だんだんいい経験が増えて、幅広いものを食べられるようになります。
今好き嫌いがあっても大丈夫、数年後になんでも食べられる子になっていればいいんです。
Photo by Cesar Rincon