乳幼児には作り笑顔か本物の笑顔なのかを見抜く能力があることが、最新の研究で判明したそうです。
ほとんどの大人は、本当の笑顔と偽の笑顔を持っていて、これは人間関係を円滑にするためにも必要なものとされていますが、小さな子どもには通用しないみたいです。
●子どもには通用しない!大人の偽の笑顔!
これはイギリスとドイツの発達心理学チームが、2歳から5歳の子ども、合計170人を対象にした5つの研究で分かったものです。
この研究で、子どもは大きく成長するにつれて、いろいろな種類の笑顔を見分けることが出来るようになることが判明しています。
これは社会的能力=ソーシャルスキルとも深く関わっています。
子どもたちに2枚の写真を見せて、どちらが本当の笑顔なのか、そしてどうしてなのかという理由も述べてもらう、という実験が行われました。
この結果、年齢が上がるにつれて正解率も上がり、75%もの確率で本物の笑顔を見分けることが出来たそうです。
3歳児でも本物の笑顔を見抜くことはできるものの、4,5歳になれば、本物の笑顔の人とは社会的なつながりを持とうとする傾向があったそうです。
どこで子どもたちは本物か、偽物か見分けているのか気になりますね。
子どもたちが注目していたのは、口元周辺だったのです。
口が大きく開いて笑っていた人を、本物の笑顔だと選んでいたのです。
また子どもたちは、本物の笑顔を見せている人を長く凝視していることも分かっており、これは、本人にも詳しくその理由が説明できないものの、本物か偽物かとということ無意識のうちに見分けていることを示しています。
この研究で、子どもたちは、わずかなシグナルで、本物の笑顔と偽物の笑顔の人を見分け、どのような相手と付き合うべきなのかを見分ける能力を潜在的に持っているということが判明したのです。
人間関係を築くのに好ましい人かそうでないのかを判断するのに、本物の笑顔と偽物の笑顔を見分ける能力は、とても大切です。
作り物の笑顔に慣れてしまった大人には、もうそのような能力は備わっていないのかも知れませんね。
Photo by Engledow Jenni