今は世界中で母乳育児が推奨されていますから、出産した産婦人科で授乳指導を受け、事情がない限り母乳で育てようというママが増えています。
しかし授乳シーンと言うのは突然訪れますし、特に授乳間隔の定まっていない赤ちゃんは突然泣き出すこともあります。
3時間置きなど決まったペースで母乳を求める赤ちゃんならいいのですが、授乳間隔が定まるのは個人差がありますし、母乳が大好きな赤ちゃんは1歳近くなっても頻繁に母乳をほしがり泣きます。
今は日本の大手デパートやショッピングモール、親子で出かける施設などに授乳室が設けられていますが、緊急事態のとき、どうすればいいのでしょうか。
●ドイツのバスで起こった出来事
ドイツハンブルグに住む新生児を持つママは用事がありバスに乗りました。
しかし新生児ですから当然授乳間隔は定まっていませんし、ひどければ10分おきや30分おきに泣きだすこともあります。
新生児の声は大きな赤ちゃんに比べれば小さいですし、泣き方も独特ですがそれでも赤ちゃんを持たない人や急いでいる人、ストレスが溜まっている人や病気の人などにとってはわずらわしさを感じてしまいます。
特にママは自分の子どもの泣き声には敏感に反応するようにできていますから、泣き出したわが子の声が響くのです。
そこでママは、やむをえず、バスの座席で授乳をし始めたのですが、その様子を見た運転手が驚きの行動に出たのです。
運転手はバス中に響き渡るようにアナウンスをしました。
「授乳を今すぐ止めるか、そうでなければこのバスを降りて、別のバスに乗り換えてください」と。
母親は耳を疑いました。まさか本気で言ってるとは思いませんでした。
しかし、運転手はすぐにバスを停車させ、他の乗客全員を巻き込んで、彼女がバスを降りるよう促したのです。ほかの乗客を待たせてまで、母親を違うバス停まで歩かせたのです。
このバス運転手の行動は世界中で物議をかもし、授乳中の多くのママが安心して外出できないという意見を出しました。
昔は日本でも公共交通機関で母親が授乳し、その光景を優しく見守るということがありましたが、今は赤ちゃんを守ろうと育てようと必死な母親に優しくない場所も多くあるのです。
バスの中で赤ちゃんが騒がないよう、授乳をしただけなのに、こんな屈辱的な扱いを受けることになるとは。感謝されこそすれ、追い出されたり恥をかかされるとは、許せませんね。
Photo by Philip Dean