可愛い動物の番組や、絵本のイラスト、動物園のふれあいコーナーなど、子どもは動物が大好き。
動物とのふれあいは子どもの情緒にも、よい影響をもたらしてくれます。
しかしそれは、人間が繁殖させたペットや家畜の話。
夏休みの親子のお出かけで、野生動物に遭遇する場面もあるかと思います。
しかし、いくら可愛いからといっても、野生動物には絶対にエサやりをしないよう、大人も子どもも、肝に銘じておく必要があります。
その理由は…?
人間があげた、たった1本のソーセージに狂わされ、殺されることになったクマの話を紹介するツイートが話題になっています。
●野生の動物に食べ物をあげないでほしい
餌付けというエゴが招いた悲劇。 pic.twitter.com/MVsRTXIeIU
— 川Φ (@takeshikawanaka) 2016年7月28日
<ツイート全文を転載します>
—————————————————-
コードネーム97B-5、またの名はソーセージ。初めて出会ったのは1997年秋、彼女は母親からはなれ独立したばかりだった。
翌年の夏、彼女はたくさんの車が行きかう国立公園入口近くに姿を現すようになった。
その後すぐ、とんでもない知らせが飛び込んできた。観光客が彼女にソーセージを投げ与えていたというのだ。
それからの彼女は同じクマとは思えないほどすっかり変わってしまった。人や車は警戒する対象から、食べ物を連想させる対象に変わり、彼女はしつこく道路沿いに姿を見せるようになった。
そのたびに見物の車列ができ、彼女はますます人に慣れていった。
我々はこれがとても危険な兆候だと感じていた。かつて北米の国立公園では、餌付けられたクマが悲惨な人身事故を起こしてきた歴史があることを知っていたからだ。
我々は彼女を必死に追い払い続け、厳しくお仕置きした。人に近づくなと学習させようとしたのだ。しかし、彼女はのんびりと出歩き続けた。
翌春、ついに彼女は市街地にまで入り込むようになった。呑気に歩き回るばかりだが、人にばったり出会ったら何が起こるかわからない。
そしてある朝、彼女は小学校のそばでシカの死体を食べはじめた。もはや決断のときだった。子供たちの通学が始まる前にすべてを終わらせなければならない。私は近づきながら弾丸を装填した。
スコープの中の彼女は、一瞬、あっ、というような表情を見せた。そして、叩きつける激しい発射音。ライフル弾の恐ろしい力。彼女はもうほとんど動くことができなかった。瞳の輝きはみるみるうちに失われていった。
彼女は知床の森に生まれ、またその土に戻って行くはずだった。それは、たった1本のソーセージで狂いはじめた。
何気ない気持ちの餌やりだったかもしれない。けれどもそれが多くの人を危険に陥れ、失われなくてもよかった命を奪うことになることを、よく考えてほしい。
—————————————————-
<転載ここまで>
●野生動物に餌をやらない、ゴミは持ち帰る
「エサやりがクマを殺す。」
強すぎるメッセージですが、事実なのですね。
そして、同じように、お弁当の食べ残しや、ゴミを置いて帰ることも、野生動物に人間の食べ物の味を覚えさせてしまい、人や車を襲うきっかけになってしまうのです。
ゴミの処理は当然のマナーで、親の姿勢を子どもは見て育ちますから、絶対に徹底したいことです。
しかし、エサやりは「親切のつもりが、動物を苦しめて命を奪うことになる」ということを、ぜひ親子で考えてみたいですね。
Photo by Jim Bowen