子どもの好き嫌いが多い場合、味覚の好みや臭いの好みに調理した食事があっていないことがあります。
●調理器具などの臭いも原因に
たとえば生魚は、最初からさばこうとすると内臓の臭いなどが調理中に漂いますから、その臭いで、出来上がった料理や食材が嫌いになるというケースがあります。
素材そのものの臭いが特徴的な、きのこ類や漬物などが代表的です。
食材だけではなく箸や食器に原因がある場合も多く、生乾きの臭いがする、きちんと洗えていない、漆塗りの臭いが嫌ということもあります。
食材の味だけではなく、調味料の味付けが嫌いだから、食材も嫌いになるケースがあります。
トマトケチャップやマヨネーズは比較的好きな子どもが多いのですが、ソースやたれは嫌がる子どもが多いようです。
さらに漂白後にきちんと洗い流さなかった、まな板の臭いが食材に移る、肉や魚を切った後に切った野菜の臭いが嫌ということもあります。
例えば、たまねぎを切った包丁を洗わずに、そのままレタスを切り、たまねぎの風味がついてしまったことから、レタスが嫌いになってしまった、という子もいます。
ですから、包丁やまな板はきちんと洗いましょう。
●心理的な理由も
初めての食材を目にした場合、戸惑いを覚えて食べない、警戒して手を出さないことがあります。
経験がないため、試しに口に入れてみたものの、イメージと違ったため嫌いになるということもあるようです。
戸惑いと言うとほかにも調理後の素材の大きさや量に戸惑うこともあります。
小さい子に大きいものは食べづらいものですし、彩りのためにトマトやレタスを大きめにカットしてみたけれど子どもには不評だったということも少なくありません。
量も子どもにとって適量でなければ残すことになりますし、食べきれないから食べないということもあるのです。
また、苦手な虫に外見が似てる、以前嫌いな人と一緒に食べた、など、嫌な記憶が重なってしまって、本来は好きな味でも、食べられなくなってしまうこともあるようです。
●いろんな方面からアプローチを
子どもはこのように、大人が考えているのとは全く違う理由で、食べられないことが多々あります。この子はこの料理が嫌いなのね、と決めつけず、いろんな原因を疑って、少しずつ条件を変えて試していくと、いつの間にか食べられるようになることも多いのです。
Photo by Eric Lewis