朝食や子どもたちの昼食などに便利な食パンは、最近安く販売されているものも増えています。
食べ盛りの子どもがいる家庭には助かるのですが、中には残留農薬や添加物に注意したい激安食パンもあることを覚えておきましょう。
●スーパーで見た激安食パンの正体
スーパーに行くと6枚切りで100円以下という食パンを見ることがあります。
相場よりも50円安いのですが原材料名を良く見ないと安心して買い物ができなくなるかもしれません。
例えば激安パンの一つを見てみると、原材料名は小麦粉に砂糖混合異性化液糖、ショートニングに食塩、パン酵母や脱脂粉乳、乳化剤、酢酸Na、さらにイーストフード、V.Cと書かれています。
一見何でもないように見える原材料ですが、実は使用されている小麦粉に、激安パンを可能にできるヒントがあります。
小麦粉なんてどれも同じと思う方も多いのですが、小麦粉はミネラルの一種である灰分(かいぶん)の量により、特等、1~3等、末まで分けられます。
食パンは通常1等粉が使われますが、学校給食や激安パンには3等粉が使われているのです。
実はこの3等粉に使われるのは残留農薬が一番多い小麦の外皮に近い部分です。
しかもアメリカ産の小麦が大半を占め、輸入前に有機リン系殺虫剤が使われますから、これらを口の中に入れていることになるのです。
●添加物の問題
さらにおいしい食パンを作るために、激安パンには添加物が使われます。
原材料に見られるパン酵母はイースト菌のことですが、イーストフードはその栄養源になる添加物で塩化マグネシウムなど16種類が含まれています。
ところが具体的に何が使われているか分からず、もしかしたら16種類すべてが使われているかもしれません。
また冷凍のパン生地はイースト菌をたくさん使わなければなりませんし、V.Cもイースト菌を増やす餌になります。
乳化剤はグリセリン脂肪酸エステルを使い、ショートニングを混ぜるために添加されます。
長期保存のために酢酸Naが添加されている、これほどの小麦粉と添加物が使われているのが激安パンの正体なのです。
安い材料を使いながら、やわらかくておいしい食パンができあがるためには、かなり多い量の添加物が使われていることを知っておきましょう。
もちろん、食事にも困る子どもたちにとって、これらの激安パンは貴重な食糧であり、十分な栄養供給を実現してくれるもので、絶対的な悪者とはいえません。
しかし、販売されている食品に、どのようなものが入っているか知識を持ちつつ、ご家庭の経済状況と相談しながら家族の食事を考えることも、大人にとって重要な育児といえますね。
Photo by Donnie Ray Jones