名作絵本の「ねないこだれだ」は、ママも小さい頃に読んだことがあるのではないでしょうか。
遅くまで起きていた女の子が、最後にはおばけになってしまい、おばけの世界につれていかれてしまう、という内容で、これまで「早く寝ないとダメよ」といった、しつけのための絵本と思っていた方も多いのではないでしょうか。
この「ねないこだれだ」の作者である、せなけいこさんは、この絵本にそんなしつけの目的はなく、他に隠された意味があると言われています。
・大人気絵本「ねないこだれだ」は、しつけのための本ではなかった!
おばけのイラストがとても印象的な「ねないこだれだ」は、大人気絵本なので、持っているという家庭も多いのではないでしょうか。
この絵本では、夜なかなか寝ない子どもがおばけに連れられて飛んでいくというラストシーンになっているので、「早く寝ないとおばけにさらわれてしまうよ」といったしつけのメッセージだと思っている大人も多いようです。
しかし、作者であるせなけいこさんは、違うと言います。
この絵本に出てくるおばけは、子どもを脅すようなおばけではなく、誰かが死んで化けて出たものでもありません。
絵本に出てくるおばけは、おばけの世界で気ままに自由に暮らしていて、子どもたちはそのことを知っています。
だからこの絵本を怖がることなく楽しく見てくれるのです。
子ども達は、おばけの世界と交わることがあり、おばけがいることを知っています。
だから、ママが絵本を読んであげると、ドキドキ、ワクワクしながら心はすっかりおばけの世界に飛んで言っているのです。
・「ねないこだれだ」に隠された本当の意味とは・・
せなけいこさんは、子どもたちが「これは私だ!」「これは僕だ!」と思ってくれる絵本が作りたかったと言っています。
子どもが自分だと感じる絵本ですから、絵本の中の子ども達も楽しいことばかりではなく、困っていたり泣いていたりしています。
子どもの世界というのは実際、けっこう厳しいもので、みんな仲良しでみんないい子でもなく、理不尽なこともあります。
いつまでも起きていたいのに寝なくてはいけない、それが子どものリアルな世界です。
「ねないこだれだ」を見て、子ども達は自分を投影させて自分の世界を膨らませているのです。
しつけ目的の絵本なんて子どもが好きなはずはありません。
ママも子どもと一緒に、おばけの世界を楽しんでみてはいかがでしょう。
Photo by Quinn Dombrowski