子供の中には大勢の中に入ると黙ってしまう子供がいますが、多くの人はそれが人見知りだと思っているようです。
しかし実は場面緘黙という一つの症状だとしたら、どう対処すればいいのでしょうか。
・場面緘黙とは
家にいるときや親しい人と一緒にいるときは普通に会話をすることができるものの、特定の場所においては1カ月以上声を出すことができない、話すことができない状態が続くと場面緘黙という症状と考えられます。
診断基準として話せないという工モックがあり、家族とのコミュニケーションは取れるのに、学校や幼稚園などでは話せない状況が続いているということがあります。
場面緘黙は不安症、恐怖症の一つと考えられており、表情や動作さえも取ることが難しい、緊張や不安によって人前で自分の力が発揮できづらいという状況になってしまうのです。
もちろん人によって程度は違い、友達と少し話すことはできても先生とは一つも話すことができないという子供もいます。
体が自由に動かない緘動という症状を表す子もおり、サポートが必要な状態です。
・原因と対処法
場面緘黙になりやすい子は気を遣いやすい繊細なタイプで、力を発揮するのを避けてしまう癖があると言います。
人から注目されるのが怖いという気持ちがあり、発症メカニズムはまだ詳しく解明されていません。
ですが不安になりやすいというベースがあり、心理学的あるいは文化的要因が重なり発症すると考えられています。
子供の場合は入学や転校などによって不安が募ることで発症し、クラスで叱責を受ける、いじめを受けると言ったことで発症することもあります。
場面緘黙は家庭環境や遺伝の問題ではなく、周囲の環境が作り出すことが多いと言われています。
早期発見によって早期対処が可能となりますので、見過ごさないことが大切です。
子供により症状や環境は違いますから、自然に治るということではなくどう支援していくか考えていくことが必要とされています。
10歳を過ぎると中学を卒業するまでの改善は困難と言われていますので、長期的な支援が受けられるようサポート体制を知ることも大切なのではないでしょうか。
Photo by Mike Renlund