小さな子供は時として、大人が思いつきもしないような発想で驚かせてくれるものです。
こんな時、常識や価値観で頭がガチガチになってしまっている大人は、子供の柔軟さにハッと度肝を抜かれてしまいます。
・倫理学の『トロッコ問題』って何!?
倫理学に『トロッコ問題』というものがあります。
これがどういったものかと言うと、電車が突如として制御不能に陥ります。
そのままいけば、電車の前方の線路で作業している5人の作業員を轢いてしまうことになります。
この時、電車の運転手はあと少しのところで線路が分岐点にさしかかることに気づきます。
分岐器を使用すれば、分岐点で線路を変更することが出来ます。
しかし、この変更した分岐点の先には、また1人の作業員がいるのです。
そうです、線路を変更すれば5人の命は助かるものの、1人の作業員は轢かれてしまいます。
『トロッコ問題』とは、このように、『5人の命を救うためなら1人の命を犠牲にすることは許されるのか』といったものです。
道徳的なジレンマを描く非常に難しい問題で、これには正しい答えといったものはありません。
・大人も悩む『トロッコ問題』・・2歳児ならどうする!?
皆さんならこの『トロッコ問題』をどう考えるでしょうか。
さまざまな答えがあり、頭を悩ませるはずです。
この『トロッコ問題』を、電車が大好きな2歳の息子に出してみることにしたお父さんがいます。
お父さんは息子に、「止まらない電車はもうすぐ線路にいる5人を轢いてしまうのだけど、線路は変えられるよ。でもまたこっちにも別の人がいるんだ」とおもちゃの線路を使って説明します。
「どっちの線路に行くか、選ばないといけないとしたらどうするかな・・」
真剣にお父さんの言葉に耳を傾ける男の子は、いったいどうしたと思いますか。
この男の子は少し考えた末に、1人の人を5人の線路に移動させたのです!
もちろん、本来の問題からは反則ではありますが、子供の回答としては「あり」なのです。
子供の柔軟で純粋な発想では、誰かを電車で轢くというものはなかったのです。
やさしい答えに目から鱗ですね。
Photo by Jon