子供をできるだけ叩かずに育てています、という親御さんも多いでしょうが、それはやはり叩いて叱ると近所や周囲から虐待しているのではと思われるのが怖い、と言う気持ちが強いようです。
よく<身体で覚えさせる>と言う言葉がしつけでは使われますが、この身体で覚えると言うのはどういうことを指すのでしょうか。
叱るときに叩くことが子供にどう影響するのか、身体で覚えると言うのはどういうことか見てみましょう。
叩くことを体罰と捕らえる人がいますが、体罰を肯定する人の多くは痛みを知らなければ人に優しくできない、ということを言います。
しかししつけというのは同じ過ちを犯さないよう、自分を抑えられる力を身につけさせることです。
叩くことがいずれ子供にとって恐怖心となり、叩くことをしないようなほかの人でも、とっさに手を挙げたときに子供が身構えてしまう、というのは叩くことが怖いことと身にしみてしまっているからです。
では<身体で覚える>という本当の意味は何かと言うと、体験、経験を通して子供が実際に自分で行って覚えるということです。
たとえば自転車の練習も、最初から乗ることができる子供はいませんし、練習して身体がバランスや自転車のこぎ方などを覚えて初めて身につくものです。
これと同様に、いいこと、悪いことも身体を使って経験して覚えていくことが多いのです。
たとえば他人の家に上がるときに挨拶ができる、靴を揃えられる、ご飯を食べる前と後に挨拶ができる、何かしてもらってありがとう、いけないことをしてごめんなさいが言えるということは、大人が根気よく教えて、実践させて身につくものです。
叩くことと経験させることの意味を履き違えないように、子どもを叱るときは気をつけてみましょう。
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