幼児でも早くから読み書きを習得している子がいると、うちの子も早めに覚えさせようかと迷うものです。
文字の読み書きを覚えさせたい、と考えた時、まず、子ども自身の準備ができていることが大切です。
その段階をふまずに、やみくもに教えても、身に付かないし、子どもにとって苦痛にもなりかねませんので、チェックしておきましょう。
●文字や言葉に興味を持っているか?
言葉が増え、お話が上手になり、物の名前をたくさん知り、似てるモノを区別できるようになっているか?
一般的に2〜3歳で言葉が発達し、4歳頃におしゃべりがある程度完成すると言われています。
言葉を豊かにするには、普段からたくさんの体験をして、リアルなものに触れ、親子で会話を楽しんでいることが必要だといわれています。
●言葉を音節に区切って認識できるか?
言葉を覚えた後、それを音として分解できるか、ということをチェックしましょう。しりとりができる、「あり」は「あ」「り」の2音でできていることとわかるか、これが次のステップになります。
幼児用の簡単なかるたに興味をもつか、様子を見てみてもいいでしょう。
これも、その子によって興味を持つ段階があり、大人が一方的に教えても、タイミングが違えば身に付きにくいかもしれません。その時を待ちましょう。
●いろんな図形を自分の意思で書ける
線を自分の意思通りに書くことを運筆(うんぴつ)といい、文字を書いたり、線の違いを認識する手掛かりとなります。
これもただ、レッスンとして反復練習するのは苦痛なので、普段の生活で楽しく身につくよう、環境をつくってあげましょう。
好きなだけ自分の書きたいようにお絵描きができる、簡単なめいろやぬりえをしてみる、書いたものについてお話しながらまた線を書き足す、などしているうち、だんだんと運筆力がついてきます。
最近は早くから文字の読み書きを教えようと考える家庭も多いですが、実際は小学校入学までに、ひらがなが一通り読めて、自分の名前が書ければ十分だといわれています。
これは5歳くらいから始めても間に合う程度なのです。
小学校に入学した後、学力を伸ばすために必要な基礎は、幼児期に思いっきり遊びに集中して、挑戦と失敗をたくさん経験しておくことだといわれています。
ですので、今やりたい遊びに熱中できる時間を奪ってまで、文字の読み書きを教える必要はないと考える、幼児教育の専門家も多いようです。
Photo by Loren Kerns