親の心子知らずということわざがありますが、親になってから分かることには子どもの考えていることが分からないということです。
つまり親子がお互いにお互いの考えていること、思っていること、感じていることが分からないというのです。
大人と子どもの心理状態は一体どう違うのかというと、実行機能モードというところにあるようです。
実行機能というのは気持ちが柔らかいか硬いか、頭の切り替えができるかどうかということです。
たとえばタッチパネルで注文できる回転寿司に行ったとき、注文した商品がブザーとともに目の前に来ればそれで終わりなのですが、その前に他のテーブルのあるいは一般に流れているだけの同じ商品が流れてきたときに手を止める必要があります。
ブザーが鳴ればそろそろ注文の品が来ると予想できますから取る準備ができますが、その前に別のものが流れてきたときはまた改めてその手を止めなければならないのです。
これが大人と子どもの心理の違いに銅影響するのかというと、先の回転寿司の例で言えば、大人はブザーがなって注文した商品が来るのを予測して待つことができるのに対し、子どもはそれができないということです。
つまり大人はブザーが鳴ってから行動するのに対して子どもはブザーの有無に関わらず目の前に注文した商品が来たのを見て行動するということです。
大人はある程度の自制心を兼ね備えていますが、子どもは自制心をこれから育てていく側です。
だからこそ、親御さんがお子さんの自制心つまり我慢する気持ちを育て、心理状態を大人に近づけていくことがしつけにつながるのです。
Photo by Gabriela Pinto