数年前までは、DVと言えば殴る蹴るなど身体的な暴力が多かったのですが、近年は精神的なDVが増えています。
その精神的なDVの種類の一つにあるのが経済DVです。
あまり聞きなれないDVですが、これは生活費を渡さない、お金を取り上げる、お金を自由に使えないようにするなどの行為です。
また、働くことを妨害する、自分はいっさい働かず金銭を要求する、収入について何も教えない、無断で借金をするなども経済DVにあたります。
上記以外でも、例えばこんなケースがあります。
妻と子供の1か月の食費を5000円しか渡さず(1日の食費 166円!)パートも許されず、1つの菓子パンを朝と昼の2回に分けて食べているママと子ども。
パパの収入を一切教えてもらえず、パパは浮気相手に大金をつぎ込んでいるのに、ママと子どもは1年間新しい洋服を1着も買えず、お古を探しまわっている家庭。
自分でなくママに借金をさせる、夜の仕事や重労働で大金を稼ぐよう強要する、などのパパも、立派な経済DVです。
このような経済DV被害にもっともあいやすいのが専業主婦です。
特に、子どもが生まれるもしくは生まれたばかりで、自分の意思で働くことができない環境にある方が多いようです。
専業主婦は自分でお金を稼げないので、生活費をもらうしかないため、無意識のうちに働いている夫と上下関係になってしまいます。
やがて、夫も自分の方が偉いと勘違いしてしまい、経済DVにつながることが多いといいます。
ですが、家庭それぞれに収入は違いますし、必要な生活費も異なるので、経済DVかどうかを判断するのは難しいでしょう。
また、主婦は限られた収入の中でやりくりするのが当たり前、という考えを持っている方も多いので、経済DVに気がついていないこともあります。
ただ客観的にみて、金銭のことで妻が支配されている状況は、どんな状態であっても経済DVと言えます。
いずれにしても、生活が苦しいのに金銭を制限する、働かない、働こうとしても邪魔するなど、金銭のことで夫からの制裁がある場合には経済DVです。
これは夫婦間では解決できないことなので、友人や家族、第三者機関などに相談しましょう。
Photo by Loren Kerns