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自然派分娩で気をつけること

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近年はインターネットで、いろんなお産のパターンを知ることができたり、出産育児に関して様々な意見を見聞きすることができるようになりました。

近代的な無痛分娩、計画分娩など、今は選択肢が増えている一方で、昔ながらの自然派分娩も変わらず人気があります。

日本では、お産は病気でなく、ママと赤ちゃんの本能や、女性本来の力が発揮される場として、命がけの分娩は神聖視されてきました。
陣痛は「産みの苦しみ」とも言われ、母親になるために必要な試練と考えられてきたのです。

そんな人間本来の力に憧れ、なるべく「自然本来のやり方、自分の力で」と、希望するママは昔も今も多いようです。
最近は食事もオーガニックや減農薬、無添加などこだわって選ぶママも増えているように、自然派分娩は子どもへの愛情であると考えるママも少なくないようです。

自然派分娩として選ばれるのは、産科の医師でなく、助産院で助産師さんだけが立ち会ったり、助産師さんに自宅に来てもらう自宅分娩、最新の産院では、ほの暗い和室の畳の上で陣痛を迎える座位などのフリースタイル分娩などがあげられます。

いずれも、自分らしく、リラックスしてお産に臨めるのが最大のメリットだと言われています。

経験豊富な助産師さんが居てくれると心強く感じますが、助産師は医師ではありませんので、出産時に何かあった場合に医療行為ができません。
助産院にも医師は常在していませんので、緊急時には提携している医療機関に搬送される事になります。

出産はまさに命懸けですから、何が起こるかは誰にもわかりません。
無事に産まれるのが一番ですし、誰もがそう願って出産に臨みますが、万一の事も考え、事前に対策は熟知しておくべきです。

出産を自然な形で迎えたいというのも素敵な考え方ですが、リスクが伴う事は十分に理解しておきましょう。

また、自然派のお産に強い理想を持ちすぎると、いざ吸引分娩や帝王切開などになった時、自分は母親失格だと、必要以上に挫折を感じ、自分を責めてしまうことになりかねません。
オーガニックな自然分娩中に、緊急搬送されて、最先端医療の手術台の上に運ばれて、光を浴びて、現実を受け入れられずパニックを起こし、過呼吸になってしまうママもいます。

どんなお産も、ママが命がけで子どもを生み出すという、世界一素敵で大変な作業であることに変わりはありません。

お産を迎える時は、どんな方法になるか想像つかないと、柔軟に構えておくとよいでしょう。

また、助産院で分娩した場合、医療行為はできないため、裂けた会陰を縫合してもらうことはできません。そのため、会陰の裂傷を縫合する代わりに使う、ホチキスのような器具「クレンメ」で止めたりすることになります。
しかし産後の傷の治りが悪い場合は、早めに医療機関の診察を受けた方がよいでしょう。

最近は自然派分娩を可能にしながら、緊急時に医療機関の対応が可能な、バースセンターという新しい形も確立されています。
まだ国内では数が少ないのですが、人気があるようです。

Photo by Ger Dekker

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