インターネットの普及と共にスマホが登場し始めてから、メディアでは子どもへの悪影響やデジタル中毒への懸念が取り上げられるようになりました。
●電報も電話もラジオも…人類をダメにする「悪」だった?
しかし歴史的に見てみると、新しいテクノロジーが開発され広まる時には、多くの場合にそのテクノロジーは悪とされる傾向があったとされています。
例えばおよそ150年前に電報ができた時にも、情報が精査されずに早急に伝達されることが心配され糾弾されていて、電話やテレビ、ラジオができた時も同様に「人をダメにする」と激しく非難を浴びた経緯があります。
非難の度合いはインターネットやスマホと同じくらい激しく、この世が終わる悪とするような勢いだったとも言われています。
まさに現代のインターネットやスマホと同じような扱いを受けてきた電話やテレビ、ラジオなどは、現在では生活に必要不可欠となるほどなじみ、親しまれているツールです。
●デジタル中毒の心配はそれほどしなくていい?
10代の若者がデジタル機器に精通し、インターネットの世界に囲まれて生きていることは現在のテクノロジーが揃った環境の中では許容範囲だと考えている心理学者がいます。
米デューク大学のマデリン・ジョージ氏ら研究者です。
この学者によると、親が不安に思っている要素を裏付ける証拠はほとんどなかったそうで、多くの子どもはデジタル中毒になる可能性がないと考えられています。
デジタルの世界の中で嫌な思いをしていても、それは仮想空間のできごとではなく、現実に起きていることだと認識できているのです。
ただ、睡眠への悪影響や匿名性、いじめの問題、個人情報などのセキュリティなど課題になる点が残っていることも事実です。
今後も、デジタルとの付き合い方や、マナーを考えていく必要があるでしょう。
<出典>
THE WALL STREET JOURNAL
http://jp.wsj.com/articles/SB12208951498353593679404581288063263202674?mod=WSJJP_Life_4_2_Right_Summaries
Photo by Paul Inkles