空気の乾燥はウイルス感染の元になりますから、加湿器を使うのは悪いことではありませんし、効果的な風邪予防策になります。
しかし、使いすぎには注意しなくてはいけません。
湿度というのは高ければ良いというものではなく、55~60%が理想的です。
これ以上の湿度になると、カビや菌の繁殖スピードが早まってしまいます。
湿度計があれば湿度をチェックできるので、湿度に合わせて加湿器を調整すればいいのですが、一般的に湿度計を設置している家庭は少ないですね。
そのため、加湿をしすぎることで壁やカーテンなど室内を結露させてしまうことも多いのです。
目に見える結露なら拭き取れますが、棚の隙間、壁紙の内部、床のはじっこなど、見えない部分の結露はそのままになるため、カビが発生します。
カビ菌の空気を吸い込むことで、アレルギー症状や呼吸器系の疾患が起こるリスクが高まります。
湿度をあげすぎて、咳やぜんそく、アレルギー性鼻炎、肺炎など、アトピーの悪化など、様々なリスクがあるくらいなら、乾燥したままの方がまし、とも考えられます。
加湿器をつけていて、壁などが湿った状態になる場合には加湿しすぎなのでこまめにスイッチを切りましょう。
就寝中は湿度のチェックができませんから、寝るときにもスイッチを切るようにしてください。
また、加湿器が部屋の面積に対して大きすぎたり、締め切った状態でも結露が発生するので、適切なサイズのものを選ぶこと、部屋を締め切りにしないことも重要です。
暖房と加湿器を併用する場合など、扇風機などで部屋の空気を循環させて、ムラをつくらない方法もおすすめです。
ちなみに暖房器具で石油ストーブやファンヒーターを使っている場合は、ガスや石油というのは燃焼させると水分が生成されるので、加湿器を使う必要はないと言われています。
秋から冬はつい乾燥を防ぐことに目が向いてしまいますが、湿度が高いとカビなどによる疾患のリスクが高まるので加湿器の使いすぎに注意しましょう。
Photo by Leonid Mamchenkov