少子化問題の背景には、晩婚化も関係していますが、40代で孫が居ると聞いた時みなさんはどう感じますか?
ある精神科医が以前働いていた病院で、40代のラテン系外国人女性が3歳位の子どもを連れ来院した時、その医師は40代女性の子どもだと思ったそうです。
可愛いお子さんですね、と声をかけると、この子は初孫ですと言われ驚きます。
●時代と共に変わる子育て事情
この事実に衝撃をうけ、詳しく話を聞いたところその女性はこう答えたそうです。
子ども時代はきょうだいと遊び、大学を出て間もなく結婚して3人の実子を育て、そして今は孫の面倒をみている。
ざっと見積もってもその女性は人生の大半を子どもと過ごしています。
ところが現代の日本人は、きょうだいの数は少なくなり、結婚や出産は遅いイベントとなり、孫が生まれるのはほとんど60代以降になっています。
日本人の世代再生産のサイクルが延長したことで、女性といえども人生の過半は子どもと接点の乏しい時間」で占められるようにです。
●昔は常に子どもがいた、他人の子育てを見て育っていた
昭和の時代は、必ずと言っていいほど近所にはおせっかいなおばちゃんや、怒ると怖いおじちゃんがいました。
しかし今は地縁や血縁が希薄化し、隔絶核家族の割合が高まり、親族の子どもや隣近所の子どもにコミットする機会も大幅に減少しています。
ラテン系の女性の故郷では、今でも地縁や血縁が根強く残っていて、現在も日本の古き良き時代に見られた光景が一般的だといいます。
●子育てを学ぶチャンスがない日本の男女
女性でさえこうなのですから、男性はさらに子どもとの接点が少なくなってしまいます。
現代人の生活は、子どもの成長が体感しづらい状態です。
男性も父親として、子どもの成長を体感する時間を大切にしていきましょう。
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