子どもにケガがあれば母親の責任と言われてしまうため、安全対策をしっかりやることが愛情だと思われますが、子どもの発達にはある程度の「危険」が必要なのだそうです。
●「危ないからダメ」では、運動音痴に!
危ないことを先回りしてすべて無くしてしまったり、子どもにさせないなどすると、運動音痴の子どもになるかも知れません。
ママとしては、子どもが高いところにのぼろうとすれば、ダメ!と制したくもなりますが、このように危険を回避しすぎると、子どもを運動音痴にさせてしまいます。
●危機意識が子どもの感覚を
やんちゃな子どもは、わざわざ高いところへ登って飛び降りるなどを、危険なことをたくさんします。
このような危険な行為をママは禁止しようとしますが、禁止しすぎてしまうと、子どもの身体能力が伸びないですし、危険への感覚が養われないなどの問題点も出てきます。
●高いところからのジャンプがバランス感覚を養う
研究者によるとバランスをつかさどるための体幹は、幼少期に高いところから不安定な場所へのジャンプを繰り返すことで培われるそうです。
ですから、いつも平らで安全な場所だけで体操していても、運動の総合能力は身につかないそうなのです。
危険に見える子どもの行動も、実は、身体能力をあげるためには最適な方法であるという見方も出来るのです。
やんちゃな子どもが高いことが好きなのは、バランス感覚を鍛えるためなのだそうで、道路脇の縁石歩きなどの日常的な動作の中で、しっかりとバランス感覚を養っているのです。
幼いころに、このような日常的な動作の中でバランス感覚を養っておくことは、将来的にもとても役に立ちます。
●スポーツ教室をかけもちしても運動ができない理由
これを裏付ける話として、幼少期からサッカー教室などスポーツをかけもちして習っている男子生徒が、中学生になってからもよく転んで骨折をしているそうですが、彼は整地されたグランドや体育館の床の上でしか運動をしてこなかったそうです。
そのため、トータルで体を動かしたり、バランスをコントロールする力が身についていなかったのだろうと専門家が分析しています。
不安定な地形や、危ない場所で、自由に体を動かすことはとても重要だったのですね。
このように、危ないからと全て危険を回避していては、小学校にあがってからジャングルジムに上手く登れないなどの運動音痴になってしまう可能性があります。
命にかかわるような大怪我をしてしまっては大変ですが、小さなケガくらいなら勲章、大丈夫、とある程度は伸び伸びとさせてあげることが大切です。
Photo by Loren Kerns