●過去10年で2番目に多いインフルエンザ患者数
2016年2月に猛威をふるったインフルエンザ。
14歳以下の患者が推計99万人と、全体の半分を占め、中でも9歳以下の子どもの間で爆発的に流行しました。
小学校・中学校・高校では休校や学級閉鎖が相次ぎました。
1週間近く閉鎖していたクラスもあったようです。
会社で大流行して仕事の納期を再調整したり、美容院などのお店でスタッフが大量に欠勤となり、お客さんに予約キャンセルの連絡を入れるなど、大人の世界でも混乱が生じています。
●今年はA型・B型に同時感染
例年なら1月にピークを迎えるA型インフルエンザが、暖冬の影響か、遅れてピークを迎え、2月に流行るという珍しい現象が起こっています。
これにより、2月流行のB型インフルエンザと流行時期がかぶり、A型・B型に同時感染という、最悪なパターンも相次いでいるようです。
A型・B型の違いをざっくり説明すると下記のような感じになります。
◇A型インフルエンザの特徴
・発熱・悪寒
・体の痛み(筋肉・関節・骨など)
・咳・喉の痛み
・くしゃみ・鼻水 など
◇B型インフルエンザの特徴
上記のA型の特徴に加え…
・下痢
・吐き気・嘔吐 など
しかし実際にはA型でもお腹にきたり、B型で熱があまり出なかったり、など、ケースによって様々な症状が出るため、一概に明確な違いがあると断言できないのです。
同じ病気でも、人によって症状の差が出るので、自己判断せず、病院で診断してもらうことが大切です。
●新型インフルエンザ~「A型-ソ連型 H1N1」が半数以上を占める!
今年最も多く流行したのは、7年前に「新型インフルエンザ」として騒がれた「ソ連型 H1N1」というタイプ。A型の一種ですが、今期の患者のうち半数以上がこのタイプだと言われています。
感染者の割合は
・A型-香港型 H3N2…20%
・A型-ソ連型 H1N1…50%
・B型 …30%
となっています。
例年、「A型-香港型 H3N2」が多いことに比べると、今年は明らかに「A型-ソ連型 H1N1」の方が大流行していることがわかります。
さらに「B型」も流行時期が重なっているため、2016年の2~3月は3種類のインフルエンザが同時に流行しているのです。
既にピークを迎え、後は収束するとも言われていますが、流行が下火になった4月~5月に感染するケースも珍しくないため、春になっても油断は禁物です。
●睡眠不足や疲労は禁物
厚生労働省は、予防のために、うがいや手洗いを徹底するよう呼び掛けています。
また、疲労や睡眠不足、栄養の偏りなどが、病気を招くため、防寒対策をしてしっかり休養し、バランスの良い食事も心がけましょう。
●予防接種2回目も
1回予防接種していても重症化するケースもあり、安心できません。
もし早めの10月に予防接種を済ませた方は、半年後には効果が薄くなってくるため、念のため、2回目の予防接種をしておくと安心かもしれません。
予防接種は、病気にかかりにくくするより、かかっても重症化させないことが目的となっていて、1回より2回接種した方が効果があるといわれています。
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