「走っちゃダメ」
「大声を出さないで!」
子どもについこんな言い方をしていませんか?
でもこれ、子どもには実行が難しい指示なんです。
●「○○しない」はこんな言葉に言い換えて
子どもに何かを禁止する場合、「○○しないで」ではなく、具体的に、別の行動に置き換えて伝えるようにしましょう。
・「走らない」→「ゆっくり歩いて」
・「しゃべらないで」→「お口は“ん”にして」
・「食事中はうろうろしない」→「椅子に座って食べて」
・「叩かない」→「言葉で“貸して”って言って」
●「死人テスト」という考え方
上記で説明した考え方は、子どもの教育で、心理学の一つ、ABA(応用行動分析学)で「死人テスト」と呼ばれるものです。
「走らない」「しゃべらない」「うろうろしない」「叩かない」
これ、死んだ人でもできる内容ですよね。
死人ができる行為は行動として扱いません。
これを「死人テスト」(しにんてすと)(The deadman test)と呼ぶのです。
子どもには具体的な「行動」で指示をした方がいいのです。
小さな子はもちろん、知的ハンディキャップや、自閉症や注意欠陥症候群などの子にも、このような声かけが有効です。
大人だってそうです。
「余計なことをするな!」ではなく「次はこうして」と具体的な指示をもらった方が、何をすべきか明確にわかるのです。
Photo by Toshimasa Ishibashi