結婚すると女性が男性の家に嫁ぐという形になるため、女性は結婚後男性の苗字になります。
婿養子の場合は逆ですが、実は今、結婚後も旧姓を名乗る女性が増えているのをご存知でしょうか。
●仕事をするママが旧姓を使う理由
結婚後も仕事を続ける女性が増え、旧姓を使い続けているケースが増えています。
正社員として同じ職場で長期働き続けている保育園ママも、旧姓を使っている人はけっこういます。
営業職や、講師、フリーランスなど、古い名前に固定のお客さんがいる場合などは、旧姓の方が、都合がいいのです。
最近は職場でも既婚女性が旧姓を使う事を認めていますが、これは今まで培ってきた信用や実績を守るという意味もあるようです。
●結婚しても男女ともに苗字が変わらない国
韓国、台湾、中国では、結婚してもお互いに苗字はそのままで、生まれた子どもは父または母の苗字を選べるのだそうです。
日本でも旧姓使用について裁判所に希望を訴えている人もいるので、将来的に法律が変わることもあるかもしれませんね。
●ある女性教諭のケース
ある女性教諭のケースを紹介します。
都内で教諭として働いている30代の女性は、数年前に結婚をしています。
夫の戸籍に入ったので苗字が変わっていますが、学校では旧姓のまま働きたいと希望します。
しかし学校側は、旧姓を使用するのは結婚した年度内までと決まっており、前例がないためこれを拒否します。
結果な女性教諭の希望は受け入れられず、名札も時間割も夫の苗字に変更されます。
しかし生徒や保護者たちは呼びなれた旧姓で呼ぶため、女性は学校に旧姓を名乗る事を認めてもうために、東京地裁に提訴し争っている最中だそうです。
教員免許では原則戸籍名を名乗り、結婚して苗字が変わった場合は変更届を出す事になっていますが、実際には、はっきりと義務付けられておらず、判断は各学校や教区委員会が決める事になっています。
一般企業で働く女性が旧姓を使用するのが認められているのに、職種が違うだけでこの結果は少し残念です。
●9割の女性が夫の姓を名乗る、その影響
現在日本では、結婚して、9割の女性が夫の姓に変更しています。
姓を変えると、各種手続きが大変なだけでなく、久々の同窓会名簿を見ても苗字が変わってしまい友達が分からなくなる、アドレス登録の名前も変わって周囲も手間がかかる、などいくつか不便な点も挙げられます。
さらに離婚・再婚した場合も、男性は一見わからないのに、女性ばかりがハッキリわかってしまったり、再度手続きが必要になったり、子どもの姓も変わることが多く、デリケートな問題をはらんできます。
もちろん、大好きな人と結ばれ、同じ苗字となるのは素敵なことですし、家族としての一体感を挙げる人もいます。何より外から見て、一家だとわかりやすいメリットもあります。
誰でも自分の希望に合わせて、自由に選べるようになるといいですね。
Photo by Valentina Yachichurova