夜中に子どもが突然泣き叫ぶ…「夜驚症(やきょうしょう)」とは?
子どもが夜中、寝ている最中に突然泣き叫んだことはありませんか?
この状態は子供の睡眠障害の一種で「夜驚症(やきょうしょう)」と呼ばれ、幼い子にたびたび見られるようです。
「睡眠時驚愕症」とも呼ばれ、3歳~10歳くらいの子に多く、子ども全体の3~5%が何度も体験するといわれています。
ほとんどの場合、成長とともに自然に症状がなくなっていきます。
●「泣き叫ぶ」「暴れる」「歩きまわる」気になる症状
夜驚症の多くは、眠り始めてから3時間頃に起こります。
これは夜驚症が深い睡眠状態の時に起こるためです。。
人間の睡眠は、浅くなったり深くなったりを90分単位の波のように繰り返していて、眠ってから3時間後は、一番眠りが深い時間帯なのです。
症状としては、すやすや眠っていた子が突然、大きな声で泣いたり、怯えた表情になったり、バタバタと暴れたり、うろうろと歩き始めたりする、という状態のうち、子どもによっていくつかが現れるようです。
30秒~10分程度すると、落ち着き、そのまま目覚めることなく、再び眠り始めます。
後で聞いても、本人は記憶にないことがほとんどです。
夜泣きと似ていますが、夜泣きは眠りが浅い時に起こるので、電気をつけたり、声をかけると、意識が戻り、目を覚まします。しかし夜驚症の場合は意識が戻りません。
夢遊病の方が近い症状だといわれています。
●夜驚症の原因
脳の中で感情をつかさどる「大脳辺縁系」の動きが活発になり、睡眠中に感情がコントロールできなくなっている状態だと考えられています。
子どもの脳の機能が未熟なことが原因のようです。
また、日中のストレスや恐怖体験なども、原因になり得るのではないかと考えられています。
●夜驚症の対策
子ども本人は眠れているので、そのままにしておいても問題なく、そのうちに症状もなくなります。
しかし、家族が睡眠不足になったり、ある程度大きくなっても続くようでしたら、小児科や睡眠外来を取り扱っているメンタルクリニックなどに相談してみるとよいでしょう。
また、子ども本人の生活を振り返って、何か気持ちの負担となっていることを取り除いてあげたり、ストレスを軽減するようにすることで、改善する可能性もあるようです。
Photo by Randen Pederson