柔らかいハートに包まれた赤ちゃんとお母さんのデザインの下に「お腹に赤ちゃんがいます」と書かれたマタニティマーク。
みなさんは妊娠中はどのように活用していたでしょうか?
バッグにたくさんつけていた、という人もいれば、結局全然つけなかった、という人もいるようですね。
●マタニティマークを付けやすい世の中に!
妊婦であるにもかかわらず、満員電車などで席を譲ってもらえず、体調を壊したりするママさんが増えたことにより10年ほど前から使用が始まったマタニティマーク。
使用が始まった当初はマークの意味が分からず、付けていても特に何もしてもらえないと言う人が多かったのですが、認知度が高まるに連れて、席を譲ってもらったり、優先してもらえるようになったという意見も出ていました。
妊婦さんはお腹がせり出してくれば妊婦さんだと理解してもらえますが、それまでの安定期にはいるまではお腹も膨らんでいないため、妊婦であることがわかってもらえないことも多いため作られたマークです。
妊婦さんが倒れて意識不明になった場合も、お腹に赤ちゃんがいることがわからないと、救急の時に、適切な処置がなされないためです。
しかし、最近は妊婦だと知られるのが怖くて付けられないという人も多いです。
SNSサイトを見てみると、妊婦だということだけで足を引っ掛けて転ばされそうになったり、お腹を殴られた、ホームに突き飛ばされたなど、誰もが利用する公共の交通機関でそのような出来事が起きているというのです。
また、マタニティマークを付けて電車に乗っていても、マークが分からないお年寄りなどから席を譲らない嫌な人という扱いを受けたり、妊婦は病気じゃないのにといやみを言われることも多いようです。
また、自治会から交付されるマタニティマークですが、病院側ではマタニティマークを付けることによってトラブルに巻き困れることも多いため、できるだけ付けないで持って歩き、どうしても具合の悪いときだけ提示してくださいと指導するところもあるようです。
夫婦共働き世帯が増え、子どもを育てる余裕のない人たちが増加している中、卵子は老化するというニュースが取りざたされて、妊娠したいけれどなかなか妊娠できないカップルには逆にストレスとなりました。
妊娠することで職場に迷惑をかけてしまう、申し訳ないと言う気持ちも手伝って、妊娠することは申し訳ないことなんだ、という気持ちや、妊娠している人に対する僻みやねたみなどから嫌がらせを受けることが多くなってきています。
マタニティマークは、胎児と母体の命を守るために作られたマークです。
決して「わたし赤ちゃんできました♪」と浮かれてアピールしている訳ではないのです。
そこまでがきちんと理解されるよう、この国の制度がさらに整備されることを期待します。
少子高齢化が叫ばれている今日、このような環境で子どもを生み、育てる事が子どもにとっても妊婦にとってもいい環境だとはとても思えません。
少子化対策を考えるのであれば、このような状況を取除いて安心して子どもを生み育てられる環境を整えるのが一番大切なことなのです。
Photo by Erin Warren