糸などが赤ちゃんの指やペニスにきつく巻きついてしまう事故がありますが、実際にこんな事故も起こっています。
●海水パンツの裏地が巻きつく
プールで泳いでいた5歳の男の子ジャックくん。
水からあがり、お母さんが海水パンツを脱がせてあげようとしたところ、ジャックくんはこの世のものと思えない叫び声をあげます。
お母さんは何か大変なことが起こったと、硬直し、目を見開いておそるおそる息子の体を調べ、何が起こっているのか理解しました。
遊んでいる間に、ジャックくんが履いていた海水パンツの裏地のメッシュ生地が、ペニスにきつく、からみついていたのです。
お母さんは急いでハサミを探し、慎重に裏地をきりとりますが、ジャックくんのペニスに深く食い込んでしまった部分が残ってしまい、それ以上除去することは危険でした。
ただちに救急車で搬送され、医師の処置を受けます。
メッシュ素材は、限界まで伸びて、小さなペニス全体に密着し、きつく締めつけているため、除去するには痛みを伴うとのことでした。
局所麻酔をして、無事に裏地の除去に成功。
数時間、経過を見たあと、ジャックくんは後遺症もなく、家に帰ることができました。
●同じ事故が何件も起こっていた
ジャックくんの母親が後日調べたところ、同じような事故が他にも何度も起こっていることを知ります。
彼女は水泳パンツのメーカーに連絡し、販売元であるテスコ社は商品を全て回収しました。
しかし、他のメーカーであっても、同様の事故が起こらないとも限りません。
ジャックくんのお母さんは、インターネットで、他の母親たちに呼びかけ、安全のために、水泳パンツの裏地は、先に切り取ってしまった方がよいとアドバイスしています。
●日本でも5歳児がペニスから出血する事故が
日本でも、5歳児が、海水パンツの裏地のメッシュの網目に、ペニスの先端が挟まれて、出血したという事故がありました。
メッシュの網目の大きさが問題でしたが、網目の大きさが2~3ミリだったとしても、天気や水温などの影響によって、事故が起こり得るそうです。
冷たい水の中で泳ぐと、ペニスが縮んで、先が収縮し、裏地の網目に入ってしまうことがあります。そして、泳いだ後、冷えた体温が元に戻った時、ペニスが膨張して、網目に挟まってしまうのです。
●痛ましい事故を防ぐために
過去の事例では、裏地メッシュは、1.5ミリの網目でさえ、ペニスの皮膚が挟まる事故が報告されています。
どんなに細かい網目でも避けられないようです。
男の子の海水パンツを買う時は、素材をよくチェックし、メッシュ素材の裏地がついたものは避けた方がよいでしょう。
もし裏地のついたものしかなければ、ジャック君のお母さんのいうように、最初からメッシュの裏地を除去してしまった方がよいかもしれません。
女の子の水着も、肩に紐が食いこんだり、泳いでるうちにリボンが引っかかるなど、別のリスクがあります。
デザインだけを見ず、素材や安全性などをよく考慮して選びたいものですね。
<出典>
http://www.kokusen.go.jp/jirei/data/200609_1.html
Photo by Emily Poisel