今年大流行の麻疹ですが、集団感染の現場としては公共交通機関や子どもが多く集まる保育所や幼稚園、学校などが考えられます。
厚生労働省も注意を促す麻疹の感染はさらに意外なところで広がりを見せています。
・たった一人の患者から感染の危険性
2016年8月14日に千葉県で行われたジャスティン・ビーバーのコンサートで事件は起こりました。
来場者数2万5000人を超える人がひしめき合う会場の中に、39度以上の発熱に全身に発疹が出ている男性が紛れ込んでいたのです。
ただの風邪ならいいのですが、なんと海外から戻って間もないというその男性は東京や神奈川などを来訪後千葉県へ行き、自宅のある兵庫県に戻った19日に麻疹と診断されたというのです。
コンサート会場に来ていた2万人以上の人に2次感染の恐れがあるとして注意が促されています。
・感染力が高い麻疹
麻疹と言うと子供の病気と思われていますが大人でもかかる可能性は十分にあります。
免疫を持たなければウィルスに触れただけで90%以上感染します。
麻疹はおよそ1週間の潜伏期間の後、38度程度の発熱に倦怠感、白い斑点が目にできたり目やにが見られたり、咳や鼻水が見られるカタル期と、39度以上の発熱に全身の発疹、咳や鼻水の悪化に下痢などの症状が見られる発疹期があります。
さらに発疹が現れてから3~4日で症状が治まっていく回復期を経て完治となるのですが、空気感染、飛沫感染、接触感染の3通りの方法で感染する恐ろしい病気です。
しかも妊娠中の女性がかかると流早産の危険性が高まりますし、赤ちゃんが感染すると死亡率が高くなります。
特に1歳前後になると母親からもらった免疫もなくなりますし、脳炎や心筋炎、中耳炎などにもかかりやすくなる病気です。
予防するためにはワクチン接種しかありませんので、全身の発疹が見られたり、周りに麻疹にかかった人がいると言う場合は注意しましょう。
小さいころ予防接種を受けていないという方は早急に医療機関を受診し、予防接種を受けることをお勧めします。
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