「どもり」とも言われる吃音は、発語障害の一種で、単語の一部を何度も繰り返したり、しゃべりはじめがスムーズに出てこないなどのいくつかの種類があります。
吃音により、コミュニケーションが上手く出来ず、ストレスを抱える人やいじめを受けている子供たちもたくさんいます。
・吃音で学校や職場でいじめを受けた人が6割にも!
2016年の2月から6月にかけて、全国規模で吃音のある方を対象とした、アンケートが実施されました。
その中で、吃音を原因としたいじめを学校や職場で受けた経験がある、という人が6割以上もいたことが分かりました。
皆さんは、吃音に対してどのくらいの知識を持っているでしょう。
吃音がある人は、なかなか周囲の人と上手くしゃべることが出来ず、コミュニケーションに支障を生じさせてしまいます。
本人も自分がうまくしゃべれないことによる苛立ちと、そして周囲からの偏見の目や雰囲気から、過度のストレスを感じることで、さらに症状も悪化してしまうという悪循環になります。
多感な10代の子供の場合には、吃音が原因でいじめにつながることも多く、学校生活にも大きな問題を起こすケースも珍しくありません。
・子供の吃音は無理になおそうとしないで、正しい知識と理解を!
吃音の原因として挙げられるのはまず遺伝です。
親が吃音であった場合、その子供が吃音になる可能性は6割を超えるとも言われています。
他に、聴覚の機能不全や、けいれん性の発声障害、ストレスも関与しているのではと言われています。
小さな子供の場合には、吃音のようなしゃべり方をすることもあります。
子供特有のしゃべり方と吃音の区別がつかず心配してしまうママもたくさんいますが、心配な場合には、耳鼻咽喉科や神経内科で調べてもらうことも出来ます。
吃音であると診断された場合には、言語聴覚士によって言語療法や行動療法、さらに呼吸法などを行い治療していきます。
専門家によりさまざまな方法で治療が行われますが、最も大切なのは親をはじめとした周囲の理解です。
本人が落ち着いて話せる環境を作ってあげることが何よりも大切なことです。
無理になおそうとしないで、吃音であることを一つの個性として受け入れてあげることが何よりも大切です。
Photo by Carol Lara