消費者庁の発表によると、暖房器具で起こる、6歳以下の子どもの事故は、7割がヤケド、1年で最も多いのは1月だそうです。
特に年末年始の帰省の時に事故が増えています。
●12月と1月に「暖房器具×子ども」の事故が急増
寒くなり、暖房器具を出して稼働し始める11月から事故が増え始め、冷え込む12月にグンと増え、お正月を含む1月がピークになっています。
理由の一つは、1月に寒さが厳しくなり、より強力な暖房を稼働させること、またもう一つの理由は、祖父母の家などにお出かけすることで、乳幼児が見慣れない暖房器具に近づくことなどが、考えられます。
祖父母の家には、安全柵がないヒーターや、旧式の石油ストーブなど、赤ちゃんの安全対策がされていない暖房器具が置いてあるケースも目立ちます。
●ストーブ/ヒーターが最多!
実際に事故の原因となっている器具は、6割がストーブやヒーターです。
ヤケドが多くを占めます。
ストーブ本体に触れてしまう事故も多いですが、ストーブの上に置かれたやかんがひっくり返り、熱湯がかかった事故、ストーブが倒れて打撲するなどの事故も起きています。
●「ストーブにつかまり立ち」「人感センサーで熱風が直撃」実際にあった事故
乳幼児が普段よくやっている行動も、高温の暖房器具の近くで行うと、大惨事につながります。
【例・1】ストーブにつかまり立ち
赤ちゃんが、祖父母宅の石油ストーブにつかまり立ちをし、Ⅲ度の熱傷。
熱傷がひどく、皮膚を移植する手術を行い、入院となった。
(0歳、要入院)
【例・2】うっかりストーブに
祖父母宅で、子どもが椅子から降りる際に、そばにあったストーブに手をついてしまった。指と指の間に水ぶくれができた。
(3歳、要通院)
【例・3】人感センサーで熱風が直撃
火の消えた人感センサー付きヒーターから、2メートル離れたところに、寝返りのできない赤ちゃんを寝かせていた。
親が部屋を離れている間に、赤ちゃんが背ばいの状態で、ずるずるとヒーターの前まで移動し、センサーに反応したヒーターが点灯。
熱風が赤ちゃんを直撃し、泣いていた。赤ちゃんの頭部にⅡ度の熱傷。
●自宅でも、お出かけ先でも、ここだけはチェック!
冬に、普段お子さんがいない家に遊びに行ったりする場合、まず先に、この点をチェックしましょう。
【1】暖房と居場所を離す
椅子やソファなどの家具は、暖房器具から離した場所に置きましょう。
そして、子どもがあまり近くにいかないよう、声をかけましょう。
【2】ストーブの上にやかんや鍋を置かない
普段、ストーブの上で煮込み料理を作っている家庭でも、小さなお子さんがいる時は、やめてもらいましょう。
子どもは、湯気やにおいなど、珍しいものに興味を惹かれて、手を伸ばし、ひっくり返してしまいます。
【3】人感センサーはオフに
子どもがいる部屋で人感センサー付きのヒーターを使用する場合、人感センサー機能をオフにしておきましょう。
暖房を止める場合は、本体の電源がオフになっていることを確認しましょう。
子どもは大人とは全く違う動き方をするので、センサーでの運転は危険です。
【4】ストーブやヒーターには安全柵を
床に置くタイプの暖房器具には、安全柵を囲むように設置し、子どもが触れないようにしましょう。
ベビー用品売り場や、ホームセンターで、3000円くらいで売っています。
大事なわが子のため、一生残る大ケガを防ぐために、祖父母宅でも取り付けてもらうようにしましょう。
4以外は、その場ですぐに対応できることですね。
●珍しい暖房器具はチェック
自宅で使い慣れていない器具は、大人にとっても、どんな危険があるか想像しにくいため、外出先で事故が起こりやすい傾向があります。
家にない暖房器具があったら、持ち主や管理者にどんな特徴があるのか、子どもが近づくとどんな危険性があるのか、確認しておきましょう。
大人より皮膚の薄い乳幼児にとって、熱傷は命に関わる大事故ですし、助かった場合でも、一生傷跡が大きく残ります。
一瞬の出来事で、一生悔やまないように、ぜひ、暖房周りをチェックする習慣にしましょう。
Source:
消費者庁
暖房器具等での子供のやけど及びけがに気を付けましょう
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/161122kouhyou_2.pdf
Photo by Mark Doliner