夫婦だけなら小さなアパートでもよかったけど、子どもが生まれると、泣き声や音、遊ぶ広さや庭などの環境を考えて、もっと広々とした家が欲しいと思う家庭が多いようです。
そんな子育て家庭を応援する制度がニュースになっています。
●空き家に住んだら月4万円援助!
国土交通省は、2017年秋以降、空き家に入居した世帯に、最大で月4万円の家賃補助をすることを発表しました。
また、空き家の持ち主には、修繕費として最大100万円を配布し、空き家を改修させます。
敷地面積や改修工事の基準なども設けて、きちんとキレイに修繕した住宅にするよう徹底させる方針です。
※画像はイメージです(Photo by Masaki Shiina)
●月収38万7千円以下なら誰でも住める
一般の賃貸住宅で入居を拒否されがちな、子育て世帯、高齢者、被災者、障がい者などの家庭。
そういった人たちの専用住宅として、入居を拒まない物件として、自治体に登録されます。
この空き家に住めるのは月収38万7千円以下の家庭。日本の世帯の約7割がこれに該当するので、ほとんどの人がこの恩恵を受けることができます。
さらに、入居時のハードルとなる家賃の債務保証料も、最大6万円補助するそうです。
●公営住宅より入りやすい
現在、団地などの公営住宅に入居できるのは、月収15万8千円以下の家庭のみ。
一方、この空き家を生かした専用住宅は、38万7千円以下なので、公営住宅よりも多くの人が対象になります。
公営住宅の応募倍率は全国平均5.8倍。東京都だけで見ると22.8倍と言われています。
足りない公営住宅を新しく建てるより、日本でどんどん増えている空き家を有効活用した方がよいとのことで、このような施策となったようです。
この住宅の情報は、NPOなどによって子育て世帯らに公開され、入居手続きや、入居後の見守りまで、ずっとサポートしてくれる仕組みも考えられているようです。
●全国の空き家は820万戸
現在、日本には、高齢化などで住んでいる人がいなくなった空き家が増えています。
住んで手入れをする人がいない建物は、あっという間にボロボロになってしまい、寿命より早く朽ちてしまうのです。
その一方で、借家の入居を断られたり、家賃が高くて狭い家にしか住めない子育て世帯もたくさんいます。
家が余ってるのに、家に住めない人がたくさんいる、そんな矛盾した状態なのです。
この専用住宅によって、「空き家問題」と「子育て支援」「障がい者・高齢者支援」がお互いに解決していくといいですね。
●「子どもの泣き声も気にならない」子育て家庭にこんなメリット
敷金などを最大6万円、家賃を毎月4万円補助してもらえるので、低所得の家庭はもちろん、どんな子育て家庭にもメリットがいっぱいあります。
・転勤が多く、戸建てを買うことはできない家庭
→庭付きの家を選んで、安く賃貸しながら住み替えることができます
・住宅費用を押さえたい家庭、公営住宅に入れなかった家庭
→比較的入居しやすい専用住宅で、浮いた家賃を、他の生活費や、子どもの教育費にまわすことができます
・夜泣きなど子育てのストレスを抱えた家庭
→子育て世帯を拒まない、広めの専用住宅に住むことで、子どもの泣き声や生活音を近所に気にせず、のびのび子育てができます
・子どもの人数が多い家庭
→専用住宅は一人あたりの敷地面積も確保されているので、良心的な家賃で広々とした住宅を探すことができます
・高齢者や障がい者、要介護者がいる家庭
→専用住宅はバリアフリーや耐震補強などの改修工事を促しているため、高齢者や障がい者、病気療養中の要介護者などがいる家庭でも安心して入居できる物件がそろっています
空き家のうち、戸建てが半数、集合住宅が半数を占めています。ライフスタイルや希望に沿って、住宅タイプを選ぶことができるのもありがたいですね。
●早ければ2017年秋にスタート!今から情報収集を
まだ、制度がスタートしていないので、実際にこのメリットが全て生かせる保障はありません。
しかし公営住宅同様、応募が殺到すると、高倍率の抽選になる可能性があります。
また、民間の企業のような派手な宣伝はないので、専用住宅制度を利用してみたい方は、今のうちから自主的に情報収集をしておくことをおすすめします。
子育て世帯にとって、便利で使いやすい制度として、定着するといいですね。
※画像はイメージです(Photo by Masaki Shiina)
Main Photo by -fabio-